啓蟄となり 巣籠もりの虫戸を開く候となりました。
昨夜遅く帰宅した息子さん「今日満月?」「ウウン、十六夜、綺麗だった?」「ウン」……そんな短い会話でしたが雨後の澄んだ空に昇った春の月は若者の心をも動かしたようです。
六日の菖蒲になりましたが、昨年飾った真っ白な檀紙のお雛様が気に入って今年も作りました。今年はちょっと脇役の助けを借りて賑やかに飾ってみました。
雛の台はお干菓子の箱に繧繝の千代紙を貼ったもので、几帳風なのは丁度よい裂がありましたのちょちょと作りましたが写真を撮ってから「几帳結びなど結べば良かった~」と残念に思っています。
お雛様は豪華なのも結構ですが、手作りも素朴でいいものです。これも折紙とは思えぬほど風格もあって、考えた方の知恵に敬服するばかりです。里にはこんな「室町雛」の象牙のお雛様がありましたが、この雛も室町雛をイメージして考えられた形だと思います。
真っ白で、ふんわりと折られたお雛様はとても優しく見えます。几帳風に飾られた裂も春を思い浮かべる色合いですね。
そう言えば折り紙って丸みは少ないものでしたね。
ふんわり折紙とはいい事を教えて下さいました。
この紙はほんの少しだけ女雛を小さくしました。恰好も男雛と同じなのが本来なのですが手を合わせる形にして変化をつけてみました。扇でも持たせようかと思い試しましたが変でしたのでそのままにしておきました。
でも最初家人は「蛙?」と言いました~ 副飾品の助けでようやく雛になりました。