SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

兜の胡麻塩包

2008-05-31 23:34:06 | 








麦秋至る候となりました

5月も尽となり明日から衣更えですのに寒い日が続きます。今年の梅雨入りは早いのでしょうか?

今月の和の提案は胡麻塩包を折ってみましょう
5月の行事のお赤飯にはこんな兜の胡麻塩包を添えてみては如何でしょうか。

折り方は下の写真を見ながら折れると思います。
1)図のように手前に折り向こうに折ります。
2)右の線のように折ると左のような鍬形になります。左右の鍬形を作ります。
3)2を裏に返して右線のように左右折ります。
4)出来上がりに下の三角を折ります。

名称は胡麻塩包ですが子供の日のポチ袋として使えそうです。薬を入れたり海外旅行ではチップを入れると喜ばれるとも聞きました。いろいろ工夫して使ってみて下さい。




尚武熨斗

2008-05-26 23:56:39 | 








紅花栄う候となりました

大相撲の夏場所は琴欧州の初優勝でした。最近のお相撲は外人力士の活躍が目立ちます。国技だけではなく日本文化の危うさを思います。若者が日本の伝統と文化に興味を持ってしっかり継承してくれることを望んでいます。

この写真は端午の節句に飾る尚武熨斗だそうで作ってみました。一種の神酒口です。(神酒口は2006年1月5日に竹製のものをご紹介しましたのでご覧下さい。)

神酒口には各節句のお飾りがあるようで、この折形は菱形で雛の節句の祝包とほぼ同じ形です。こうして端午の節句には菖蒲を水引で作って飾ったのでしょう。
神酒口や御幣など神にお供えするものは折形の起源でもあり、神酒口は雄蝶雌蝶に発展したと思われます。(雄蝶雌蝶は今年元旦に合蝶、3月10日に雛の節句の雄蝶雌蝶を、2006年1月6日にも載せています。)
飾りと言いますが荘厳のように神仏を荘ることが飾りの原点であり神酒口はごく身近なものとしてさまざまに工夫されたようです。

やっと水引が結べるようになり以前から作ってみたいと思っていたものが出来るようになりました。
この尚武熨斗は端午の節句の鎧櫃の前に飾るとありますが今年は間にあいませんでしたのでいづれ決まり通りに飾ってみたいと思っています。



講談社の絵本

2008-05-21 23:59:45 | 







小満となり蚕起きて桑を食う候となりました

昨日は時ならぬ台風で交通機関が乱れました。
夜分には台風一過の空に満月が皓々と澄んでいました。

皆さんは子供のころにどんな絵本を読んだでしょうか? 
私が幼い頃の絵本はほとんどが講談社の絵本でした。 かぐや姫 花咲かじいい カチカチ山 一寸法師 桃太郎 浦島太郎 のお伽話から 小学生になって 静御前 蛤姫 安寿と厨子王  牛若丸 俵藤太 二宮尊徳 百合若大臣 孫悟空 等々、まだまだたくさん記憶にあります。
講談社の絵本は日本画がよく、四季も人物も穏やかに描かれ品がありました。どの物語もその絵の一頁を思い出すことが出来ます。
結婚後子供達にも読ませたいと思いましたがその頃はもう見当たりませんでした。その後復刻版も出たようですが版が違うのかなんだか見劣りするようで残念でなりません。
こうしたきちんと丁寧に作られた絵本を見なれていると近頃のものが幼稚に思えてなりません。

写真は母の仁丹入れです。比較に兜が描かれた4㎝の石を置いてみました。 (光線が悪く銀なので綺麗に映りません~) 最近箱の中から出てきました。
嘴や足に金が入って小さいのに丁寧に鷺が彫られています。こうした細工のものを何気なく使っていた時代だったのでしょう。

ょっと作品が間に合わず、子供の日と母の日関連からこんな事を書きました。
昔は絵本も持ち物もよい物が身の回りにたくさんあった気がします。



真の薬玉

2008-05-12 15:32:46 | 










竹筍生ずの候となりました

筍があちこちと頭を出し、初夏だと言うのに寒い日が続きました。衣更えの後で困りました。
中国の大地震は大災害になり傷ましいことです。耐震構造の重要なのを思いました。

これは端午の節句に飾る薬玉です。
花はサツキですが本には杜鵑花(とけんか)とあり、これはサツキの漢名です。とけん=杜鵑はホトトギスの漢名ですから杜鵑が鳴くころのお花がサツキと言うことでしょう。
薬玉と言うと球体のものと思いますがこれは真の薬玉と言い、亀甲形です。御所や公家家のお飾りです。ちなみに行の薬玉は半球で、武家に。球体は庶民が飾る草の薬玉になります。

これを掛けて香遊びをしたくて作りましたが今年は出番が無さそうです。
初めてこの写真を見てからもう10年近いでしょうか?ずっと作りたかったものですが手が出なくてようやく昨年出来ました。
花の型紙からすべて自己流ですからもどきです。
花芯は水引に金箔を貼ったりいろいろ苦心して仕上げました。本来は中心の丸い実に香薬など入れて邪気を払うものでした。
下によもぎと尚武の葉が付くことも邪気払いのお飾りであるのが分かります。



昔のお飾り

2008-05-10 00:04:33 | 








蚯蚓出ずる候となりました.。

立夏も過ぎましたのに肌寒さを覚えます。
菖蒲湯用に求めた菖蒲の葉もシャワーを浴びて出かけてしまった息子達には無用のものとなりました。いつまでも子供の日でもないようです。
今月は端午の節句に因んだものを載せたいと思います。

写真は里の端午の節句のお飾りです。アップを迷いましたがこうしたお飾りは今ではもう目に触れない希少なものだそうで、ふるきよきものとして残そうと思いました。

このお飾りは兄の初節句のもので戦前のものです。空襲に合いましたが蔵の中で難を逃れました。幟枠は床の間一杯の弓形でとても重いのと母が嫌いな鯉が怖いのであまり出されなくなり鎧だけの時が多くなりました。

この写真は2年前(2006年)の3月27日に兄の守り袋を載せたところそのコメントに幼馴染みの友人が五月飾りのことを懐かしんでふれましたので、その返信に幟枠の事を書きました。8月になって幟枠の検索から入ったX氏から 写真だけでも見たい と言う要望があり古い写真を里から借りてコピーしました。X氏とは面識もありませんが家業のことにご熱心でしたのでコピーをお見せしました。 

それによると唐木(黒檀)の幟枠や貝を捲いた旗竿(竿の白い部分)はほとんどないそうで、このを作れる方は今は一人きりになり、こうしたお飾りはもう作れないのだとか。滅多に見られないよい品と褒めて頂きました。
全国を探したそうですがこれが一番良かったとかでX氏のHPの表紙になっています。http://www.ecluse.jp/