SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

母とワープロ、歌

2006-08-31 00:05:31 | 
昨日母とのことを書くにあたり逡巡しましたが、コメントを頂いた皆様もご両親への思いを深められたようで嬉しく思いました。暖かいコメントを頂いて、少し追加したくなりました。

私は字を書くのが嫌いで、母への手紙は歌ばかりの散らし書きが多かったように思います。字は最小限度にしたいのです。母もやはり字は書かないたちで、私の手紙はずっと片便りでした。それが「うたみやげ」の後、平成三年頃からワープロ書きの平仮名ばかりの歌が届くようになりました。それまで結集していた思いを伝えたくてワープロを覚えたようです。それは可愛い孫娘ちゃんの指導があっての事と思われますが、70過ぎの手習いは偉かったと思います。
それ以後はお互いの往来となり、楽しい時が四年ほど続きましたが母は入院してしまいました。入院中も私は歌をベットの下に置いてきたりしました。言葉で言えないことが歌だと伝えられるのです。母もそのようでした。
母の最期の歌は亡くなる10日前で、九首を私が口述筆記しました。
最後の歌になるとは思ってもみない急逝でした。
 歌は心を伝える術だと思います。ふるきよきうつくしき 日本の魂なのだと思います。

母への思い、PC

2006-08-30 00:17:33 | 
夕暮れの空に三日月さまが形よくなりました。
月を見ると母を思います。今日はメカ音痴な私が以外と早くPCにふれたお話にお付き合い下さいませ。

母と私は折々、歌の往来をしておりました。母が元気な時は歌がくればすぐ返し、歌は常に身近にありました。父のお供の旅行には母に「歌みやげ」としその様子を伝え、京の旅では50首ほどにもなりました。
和歌は贈答ですから贈る人、応える人がいないと出来なくて寂しくなりました。

母の歌は百首ほど、私の歌はその数倍ありますが、それは私と母の手紙の上だけで姉妹も知らないことでした。 母亡き後、母の歌を一人占めするのが心苦しく一周忌に原稿用紙70枚ほどの母の歌とその折の事々を姪のお下がりのワープロで書き上げました。 

初めて触ったワープロは文字入力も変換の仕方も知らぬままいきなり二万字もの作業となりましたが、お陰でワープロがマスター出来ました。その後そのワープロは「ままら版」と言う縁者達との瓦版通信に活躍し、50号から写真なども入れたくてPCに代えました。ままら版もすでに400号を越え、PCとのお付き合いはもう11年になりました。

母への思いから始めたワープロがPCとなり、ネットはさまざまな情報と新しい世界を啓いてくれました。それがSAKURAに繋がっています。これも母が導いてくれたことのような気がしています。
先日父の誕生日に親族が集まる毎年の行事に35名が集いました。曾孫チャン達も皆揃ってお互い和気藹々の様子にきっと父母も喜んでいたと思います。
生前のままに和やかに集えるのも父母が皆に注いだ深い愛情の賜物でしょう。改めて父母に感謝した一日となりました。



折形 十 婚礼結納

2006-08-28 00:11:59 | 





天地始めて寒し の候となりました
朝夕は猛暑も静まって昨夜はすだく虫の音も聞こえました。そろそろと早まる夕暮れに秋への移ろいを感じます。
今日のお包みは 婚礼結納用諸金銭包 とあります。「御袴料・御小袖料・御帯地料・鰹節料として金銭を贈る場合用いる」「用紙は大高檀紙又は大奉書を二枚重ねとして用」います。

これは檀紙と赤奉書を重ねて折っています。結婚のお祝いにはこのくらいの大きさの紙で折ると立派です。
檀紙は和紙の中でも最高で格のある紙です。これには大中小のサイズがあり、奉書も同じサイズです。大高檀紙は39.4㎝と53㎝で大にあたります。柾判(まさ判)は大と同じサイズで、中、小はそれぞれ3センチつづ小さくなります。
和紙のサイズは 半紙<美濃判<糊入れ<小奉書・西の内判(ほぼ同じ)<中奉書<大奉書の順で大きくなります。

大奉書の大きさはだいたいタブロイド判と同じです。見開きの広告の紙はこのサイズなので私はよくこの紙で練習をしました。先日の一般用のお包みもいろいろな大きさの広告紙で試してみるといいですよ。



祝儀用包の折方

2006-08-25 00:08:09 | 


今日は一番ポピュラーなお包みの折り方をB4の用紙を使ってご紹介しましょう。どんな本にも展開図だけで丁寧な説明はないものですが、皆さんには長年折って、やっと割り出した寸法をお知らせします。



このお包は結婚以外どんな時でも使える一般祝儀用です。結婚のお祝いの中袋でもいいでしょう。(金封は外包と中包が同じにならないようにした方がいいと思います)

上のABCDは折り目です。写真のA~Dの順に従って下の形になるように折ります。(Bは中心を通っています)折り目が付いたら開いて今度は123の順で折直します。大事なのは折り出しの最初、(Aの先)のところを7センチにすることです。角度は図を見て頂いて、縦の線は直角に、横の線は平行になるように気を付けて下さい。

仕上がりの写真の左が祝儀用で、右が不祝儀用です。不祝儀は上の角を切らずに包みこみます。(こちらは工夫してみて下さい)
A4サイズでも1万円札は包めます。この時は幅が足りないのでB線を中心より手前で折って、折り込まれる分を少なくすればいいわけです。
この形はシンプルなので角切りの角度によって印象が変わるので綺麗な姿に折るのは結構難しいものです。サンプルがあれば急ぎの時でもすぐに形よく包めますのでベストサンプルが出来るまで何度も試してみて下さい。



折形 九 香典包

2006-08-23 07:22:20 | 





処暑となり綿の花しべ開く候となりました
暦の上では暑さも柔らぐ頃なのですが最近の炎暑はこたえます。でも天は高くすじ雲が秋を告げています。
今日は香典包みです。
香典包は今ではほとんどが市販の袋を使ってしまい、そうでないのはなんだか出しづらい気になるものですが主人は平気らしく突然のご不幸には私の折ったお包みを使ってくれます。

不祝儀のお包みは折形の本ではあまり見かけないものでこれも珍しい折り方だと思います。
山根氏の本にはこれと似た形がありますが「法事用」とだけで名称はありません。荒木氏の「折形百六十例」の中にもこの形は見当たりません。
山根氏、荒木氏の本に見られない西田氏のお包みを今回載せていますが、仏前包は両氏の本では祝儀用の形ですので仏事にも使えると知り驚きました。
糸包は名称は同じですが折り方が違っていました。