SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

七夕飾り

2008-07-28 23:53:35 | 







土潤って蒸し暑しの候となりました

盛夏の候お見舞い申し上げます。

あえぐような猛暑が続きます。涼を感じ頂きたいと今月の<和のコナー、作ってみましょう>こんなものを作ってみました。
三角の薬玉です。旧歴地方の方は七夕のお飾りに如何でしょうか?

これは娘時代に糸を巻いてずいぶんたくさん作りましたが、糸を捲くのはたいへんなので千代紙を貼ってしまいました。糸の巻き方でいろいろな模様が出来るのですがちょっと思い出せません~(ご存じの方が居らしゃればお教え下さい。懐かしいです)作り方は掲示板に載せておきます。夏休みの工作に大小たくさん取り混ぜてモビールを作っても綺麗だと思います。 




七夕の飾り

2008-07-22 00:03:55 | 













大暑となり桐はじめて花を結ぶ候となりました

我が家では5月に植えた西瓜の蔓が急速に伸び出しました。
涼しい時は先行きも危ぶまれるほど元気が無かったのですが、暑さとともに成長著しく、自家製の西瓜が食べられるかもしれません。

予定の七夕の飾りが間に合わなくて昨年作ったものを載せることになりました。
この折形は3月に載せた雛の節句の雌蝶と同じ折形です。
雄蝶雌蝶はそのままお飾りになる と前回書きましたが、この折形に各節句の造花や水引をつけて花結びをして下げれば掛飾りとなり、いろいろに応用できます。笹の巻葉は紙縒、他も紙製なので簡単に出来ました。

4年前、国会図書館で「掛物図鏡」のマイクロフルムを見ました。これは12ヶ月の鳥と造花の飾りの図で綺麗なものでした。
古書なので読みの怪しいところがありますがそこは?として書いてみます。
正月=柳 鶯  2月=桜 雉  3月=藤 雲雀  4月=卯の花  時鳥    5月=さつき 水鶏  6月=菖蒲 鴎?  7月=女郎花 鵲    8月=鹿鳴草(萩) 初雁  9月=薄  鶉?  10月=残菊 鶴 11月=枇杷 千鳥 12月=早梅 水鳥(鴛鴦)です。
旧歴なので季節感の差がだいぶありますが、五節句以外にもこうした掛物を飾っていたのですね。



鵲の雄蝶雌蝶

2008-07-17 06:24:55 | 








鷹技を習う候となりました

梅雨明けもまじかなようですが蒸し暑い日が続きます。
祇園祭りも始まって今日は山鉾の巡行の日です。雨は降らずにすみそうですね。
今月は七夕に因んだものを載せようと思いつつ、前回は鷺草になりました。

写真は七夕に飾る雄蝶雌蝶で 鵲の雄蝶雌蝶です。
勿論、鵲は牽牛と織姫を隔てる天の川を鵲が翼を広げて橋を作ったと言う鵲の橋の命名でしょう。
鵲はサギのイメージから鷺草のような白を連想していましたが烏科の鳥で黒が基調の鳥でした。ちょっとイメージが異なりました。

飾り方の図がないので神酒口のように差してみましたが、御神酒口はそのままお飾りとして飾られるようです。
上巳、端午、七夕と節句ごとに雄蝶女蝶の折形が決まっていたのもゆかしいことです。

白は反射するので薄いグレーのぼかしに砂子が撒かれた紙で折りました。左右の対象に苦労したのですが、折筋が光ってよく見えませんでした。 水引も赤を避けて紙の色に染めてみました。
左が雄蝶で陽の結び、右が女蝶で陰の叶結びです。七夕さまの願が叶うように結んでみました。

鵲の歌は
かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける  
が有名ですがこれは七夕の歌ではなく、同じ家持に
かさゝぎのはしつくるより天川 水もひなゝむかち渡りせん 
 と、こんな歌があります。上の歌と対照的にロマンのないお歌です。

天の川は舟で渡る歌が多いようで
天の川楫の音聞こゆ彦星と織女(たなばたつめ)と今宵逢うらしも

天の川霧立ち渡り彦星の楫の音聞こゆ夜の更けゆけば

私の好きなお歌です。


鷺草

2008-07-12 23:56:58 | 
 






蓮始めて開く候となりました

お墓参りに行きましたらお寺の境内はすっかり夏木立、つくつく法師を聞きました。

今月は七夕にちなんだものと思っていましたが10日に我が家の鷺草が咲きました。
昨日(11日)も2つ咲いたのでタイムリーなので予定のものと差し替えました。

鷺草は小さい頃に母がよく咲かせて、その姿に感銘していましたから是非咲かせたいと思いながらなかなか球根が手に入りませんでした。
病気になりやすいとかで苗屋さんでも球根をあまり仕入ないそうです。以前から頼んでおいた方がやっと探してきてくれて5月の連休中に植えたものです。

ラン科なので夜になると芳香を発するとか~。お香では蘭はふじばかま と読み、名香があります。

清楚な美しさは涼を運んでくれて今年の夏は念願が叶いました。(背の高い方が咲いたばかりでまだ小さいのですが莟もたくさんあってこれからが楽しみです。)



七夕花扇

2008-07-07 00:02:34 | 







小暑となり温風至る候となりました

7月に入りようやく夏らしくなりました。
平塚では七夕祭りが始まり浴衣がけの人出でにぎわったようです。
今日は七夕なので七夕花扇を作ってみました。これはあまり知られていない風習ですが七夕の日に近衛家から御所へ献上される花包です。撫子、薄、女郎花、桔梗など五色の秋草が扇状にかたどられ檀紙に包まれて水引が要につくようです。

七夕には平安の頃には花合せが行われ、撫子などを競ったとか。中世には花を供えたり飾る風習があり花扇はこうした由緒のものでしょう。

菖蒲を葺くように吊るされるようなので、折形や水引も掛蓬莱のように作りました。下げて見るとどうも不格好で風情がありません。
五色の秋草も揃わないので花包も本来の紅白を涼しげな色にして自分流のアレンジにしてしまいました。つまり花扇のもどきです。
水引が結べるようになったら作ってみたいものの一つでしたが作ってみるとまとまらず、別物になりましたが「七夕花扇」と言う言葉が美しいので覚えて頂きたいと思い載せました。

この風習は奈良の猿沢の池の采女の伝説として名月の行事となっているようです。花扇はその後池に流されますがこれも祓いと繋がりがあるのでしょう。