SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

ブックカバーを折りましょう

2010-04-30 00:00:00 | 







牡丹花咲く 候となりました

気候が定まらぬままゴルーデンウイークに入りました。若葉は美しいものの爽やかでもなく浮き立つ心にもなれないのは景気のせいでしょうか。

今月は帙を取り上げましたので月末の作ってみましょうはブックカバーの折り方です。
四隅に爪を折ってそこに表紙を挟みます。

写真は文庫本と豆本にカバーをかけてみました。
綺麗なお菓子の掛け紙など応用すると良いと思います。カレンダーの紙も折り難いですがしっかりしているのでカバーに向いていますがやはり和紙の風合いがいいようです。青楓のカバーは和紙ですが再生紙です。
同サイズの文庫本なら布折紙で作って掛け代えるもいいですね。

作り方

紙のサイズは本の大きさより6㎝~10㎝大きくカットして下さい。本の厚みも忘れず加えて下さい。(左の写真参照)
上下左右を本の大きさに添って折ります。
上の写真1~4はその番号の折り上がりの形です。どれも四方を折ります。1は上下左右を折った所 2は三角に折ります。 3は三角の部分を引き出した所 4はそれを四角に折った所でいずれも四方して下さい。

左は4が四方終わったところで1~2の点線を折ると2~3のようになります。最後の3のように三角を内側に折ります。
この出来た三角の爪に本の表紙を挟みます。
本の厚みによって爪の大きさを3~5㎝に決めて下さい。(その倍の幅が必要です)
掲示板の方に大きくなる写真を載せておきますので分かり難い時はそちらでご覧下さい。



夫婦帙

2010-04-25 00:00:00 | 








霜止み苗出づ候となりました

茶摘みの頃ですが遅霜で新芽が傷んでしまったとか~ お野菜も高騰し寒さの影響があちこちに出ています。
我が家の普請も雨続きで遅れがちですが、出窓のサッシュが入りコの字型のサイド窓を通して見る景色がワイドになりました。木々はすっかり若葉となり見慣れた躑躅も新窓からは新鮮に見えます。

画像は箱帙の一つの夫婦箱です。蓋をするとぴったり納まります。中は源氏香之図で小さな折り本が入ります。 これは以前折り本として継ぎ紙の見返しと中の絵を載せましたので今回は裏表紙にしました。(見返しは2009・10・8にあります)
2006年2月20日にも別の源氏香の折本を載せましたが源氏香の図はもっと作りたいと思っています。



箱帙

2010-04-20 00:00:00 | 








葭始めて生ずの候となりました


先日の時ならぬ雪は41年ぶりとなりの四月の降雪記録の日にちを更新しました。
41年前の雪の日は丁度ホテルオオクラに用がありあの坂を車で登るのが怖かったのを思い出しました。はっきりした記憶でとてもそんなに時が経ったとは思えません。そう云えば大きなかまくらを作って甥達と遊びましたっけ~

ブログをteacupさんで本にしてくれるとの事で今までの5年分を本にしてみました。5冊ありますがまだ数冊入るように箱帙にして見ました。
帙は本の厚みで作りますので大きめには出来ませんが箱帙だと箱の厚み分だけ後から本が入れられます。

この布は私の若い時の一重でしたが小桜の柄で丁度この分だけ残っていてSAKURAの入れ物になるのを待っていたかのようでした。
箱帙は深いと取り出し難いので真ん中に切れ目を入れて紐を渡して
本の底を潜らせて持ち上げるように工夫しました。左側にちょっと見えるのがその紐で、その下がSAKURAの本です。蓋(上前)を桜型にカットしてふっくらと作ってみました。



四方帙

2010-04-15 23:54:00 | 
 









穀雨となり 葭始めて生ずる 候となりました

庭は桜と椿が花を残していますのにもう躑躅が咲きだしました。気温も日によって10度も上下して戸惑うばかりです。見慣れぬ同居の花々も戸惑っている事でしょう。

これは四方に開く四方帙です。
百人一首などもこうした帙に収められていますね。
帙は本以外にも大切なもののカバーにしますので私はお香の総包を入れています。
この布は祖母の丸帯ですが小柄なので他にも内敷など作り出番の多い重宝な布です。

帙は正倉院にも金光明最勝王経帙http://osaka.yomiuri.co.jp/shosoin/treasure/2006/st2006_04.htmがあるように古くから伝わっています。元々は経巻を包んだようで竹簀で巻く形でした。保護するものが丸い巻物から冊子本になって、板や厚紙で挟むようになり今の帙の形が定まったようです。


帙 丸帙

2010-04-10 00:02:00 | 






雁水へ帰る候となりました

4月に入っても寒い日が続きます。桜花は枝に安らって思いの他長い間楽しませてくれています。

今月はのいろいろを載せたいと思います。帙は大切な本を保護するものですがその本の顔にもなるように布なども選んで凝ったものが作られるようです。

写真のご本は松岡調先生の『作品とその世界 未完のうちに潜むもの 』で、先生の蒐集された布地やお茶のお道具、軸装の写真が満載された貴重な本です。工藝サロン梓さんの肝入りで上梓され、編集もお茶の生徒さんらが主にあたりあたたかな仕上がりになりました。写真は皆さんの希望でご一緒に帙作りを楽しんだ折りのものです。
滴々は「一しずくつづ浸透するように」とのお心を一枚一枚手書きされ本に添えたものなので窓に収めて飾れるように考えてみました。こうしたところが手作りの楽しさではないでしょうか?

これは丸帙で本の三方を包む形のものです。
帙を閉じたところは左のような感じです。布が長くありましたので裏の見返しにも使ってみました。

ご本に錆朱の帯がかっかているのは本のお包を考える機会を頂いてお名前が見えるよう掛け紙風に工夫してみたものです。こんな栄を頂けて身にあまるものでした。大事にしたいご本です。