SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

香るほうずき

2008-08-28 23:59:33 | 








天地始めて寒しの候となりました

急に涼しくなって夜には虫の音も聞こえます。夕暮れも早まって秋は静かにしのび寄っています。

和綴じ本で針を持ったのでこんなものを作りました。
月末の和のコナー作ってみましょうに如何でしょうか?
これは古くからある猿ぼぼを基本にした鬼灯です。

猿ぼぼ は天児(あまがつ)や御伽這子(おとぎほうこ)として子供の魔除けのお人形に古くから作られていました。言わばお人形の原型です。

写真は顔になる部分をほうづきの実のようにして包んであります。作り方は猿ぼぼと同じ四角い布の四隅を縫って胴を作り丸布を絞って頭にします。
綿と一緒に香料など入れて下さい。置いておくだけで可愛いです。(後ろの鈴虫は竹製です。よく出来ているのでこの時期取り出して飾ります)
 



連鶴 杜若

2008-08-23 06:19:47 | 







 処暑となり綿の花しべ開く候となりました

急に涼しくなって蝉の声も弱弱しげです。夏休みも蝉の音とともにもうじき終了です。

昔男 とくればやはり杜若かと思い杜若を折ってみました。
これには 添いぶしにはらみし花の杜若みな紫のゆかり美し 
の狂歌が付いています。

昔男と似ているようですが折り方は違います。
写真で分かるように小さい鶴は正方形をさらに四角に折っています。こうして端の繋がり部分が中央へ来るわけです。
連鶴はこんな工夫によって繋がっています。

源氏物語千年紀とやらで源氏物語が取り沙汰されていますが、伊勢物語はその約百年以上も前に書かれました。書かれた年が源氏のように明記されていないので千年紀などと断定出来ないのですが、こちらも日本が誇る文学です。物語中の和歌は源氏より膾炙していると思います。

杜若のお歌でも書いておきましょう。

ら衣つつなれにしましあればるばる来ぬるびをしぞおもう



連鶴 昔男

2008-08-17 00:04:13 | 







濃霧昇降すの候となりました

今夜は満月、そろそろ月が美しくなりました。
夏休みも終盤近くなりました。
夏休みに親子で連鶴の折り方を考えるのもいいかと思い再度連鶴を折ってみました。連鶴の折り方はパズルのようで、手先と頭の体操になり、且江戸時代からの伝統の技を伝えられてよい夏休みの宿題になると思います。

この写真は
業平を昔男と言うならば昔女は小町なるべし」の狂歌がある昔男です。

連鶴は百鶴を除いてほぼ折れたのですが、折り方が綺麗でないのと写真が上手く撮れないのでアップを見合わせていました。この昔男も台を除くとぶら下がった鶴の格好がどうも気に入りません~
二羽でも難しいのに六羽、八羽の鶴を形よく写真に収めるのは至難ですがいくつか載せてみることにしましょう。



和綴じ本

2008-08-12 00:45:04 | 








蜩鳴く候となりました

昨日はミンミン蝉がよく鳴いていました。あぶら蝉からミンミン蝉、蜩が鳴くと急に秋の物悲しさを覚えます。それまで今しばらく残暑に耐えねばなりません。

豆本に続いて源氏香のお歌を和綴じにしてみました。(題箋はまだ仮なのです)左から亀甲綴、麻の葉綴、康煕綴、唐本綴です。
前回の豆本の綴じ方はポピュラーな四つ目綴です。
大きい方が15㎝弱、小さい本は10㎝足らずのサイズです。
小さい方は新源氏香の名目を書きました。

先日和綴じの古本を求めました。綴じ糸の華奢なこと。それも中綴じの紙縒りでしっかり綴じられているからでしょう。
綴じ糸が切れたら直すのは衣類を繕うのと同じで昔の人なら誰でも出来たことですから頑丈な糸でなくてもよいのです。

和綴じの本をめくるとそのしなやかさは心を和らげます。ふんわりと開く頁は和紙ならではの優しさです。

私の和綴じの香ノートは洋紙なのが残念で、今回は和紙を使いましたが技術不足なのか古本のようにしなやかにはいきません。製本もしっとりしたものを作るには修練の技がいるようです。



豆本

2008-08-07 06:11:42 | 








立秋となり涼風至る候となりました

早朝から30度もある酷暑が続きましたが立秋の今朝は29度、天は高く鰯雲がおよいでいます。わずかな秋の気配を見つけながら残暑をしのぎたいと思います。

源氏物語が書かれてから千年と言う記念の催事をあちこちで見かけます。
私も源氏香の図を豆本にしてみました。
2006/2/20にも料紙を貼った源氏香図を載せていますが今回はそれを縮図にして本にしてみました。サイズは5センチほどです。
本作りは製本より中味の作業がたいへんで、「|||||・箒木」と香図と名称を見開きで見えるようにするには香図と名称の頁が違うので面倒な作業でした。おまけにこの最中にPCがおかしくなって何度も強制終了となっていたく難渋しました。
源氏香は五本線の図柄ですが他にも三本、四本の香図があるのでそれもついでに作ってみました。
綴じのない本は粘葉装にしたのですがこちらは見開きで1頁なので容易に出来ました。いろいろ作ってお友達に差し上げています。