SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

菱形のポチ袋

2009-03-30 06:06:00 | 







雷声を出す候となりました。 

このところの花冷えで庭の桜もまだ一分咲きです。
先日鶯の初音を聞きました。寒の戻りが続いたせいか昨年より20日近くも遅く今年は訪れないのかと淋しく思っていたところでした。初音を聞かないとどうも落ち着きません。

今月はこんな菱形のポチ袋を作ってみましょう。貝の文香を挟みましたがこんなものを入れたり初節句のお赤飯の胡麻塩入れや、小さく折って香りを入れると文香としても使えます。
ちょっと厚みが出るのでお雛さまやお道具のお座布団として使ってみたりいろいろと工夫してお使い下さい。
上の赤い方の蓋の部分を折り込むと下の桜の模様の菱形になります。

作り方は掲示板に大きくなる写真と共に載せておきます。
ご覧のように長い紙で分度器も使わず折りたたむだけで折れるのです。
前回お話した雛のお包みは蓋の部分で熨斗を折ったものです。この菱形のドル入れはまだ見かけませんから私のオリジナルと言ってもいいと思います。



雛菓子・菱

2009-03-25 06:01:00 | 







桜始めて開く候となりました

今年の桜は例年より早いようで各地で桜の便りが聞かれます。我が家の桜もやっと一輪ほころびました。

雛菓子にはあられ菱餅、関西の方には引千切(ひちぎり)などがあります。お節句にそのお菓子を添えることで華やいだり、重厚になったりそのお節句の雰囲気が醸し出せます。

菱餅は菱の実が原料なのでこの名があるようで、菱は橡の実と同じように滋養のある食物として食されていたようです。
菱餅の色は子供の頃から母に「草の上に雪が降りその上に花が咲いた色」と聞いていました。この三色の色合いといい正三角形をつないだ形と言いすばらしい感性だと思います。

香道では菱灰と言って菱はお灰の原料でもあります。薄い紫の色をして綺麗なのですが粒子が重く扱い難いお灰です。

この画像は菱形のたとう とそのバリエーションです。ちょっと菱形に取りつかれいろいろと折ってみました。
菱形のお包みに雛のお包みがありますが(2007年3月21日、掲載 http://purple.ap.teacup.com/applet/yaya/msgsearch?0str=%82%A0&skey=%90%97%82%CC%82%A8%95%EF%82%DD&inside=1&x=21&y=12)そのバリエーションを今月の手作りとして次回に載せたいと思います。
こんな菱形を散らすだけでお雛様の雰囲気が漂うようです。



貝合わせ

2009-03-20 06:14:00 | 







春分となり雀始めて巣くう候となりました

桜の便りもちらほらと野辺は春爛漫となりました。

この画像は鱗結びにした貝桶です。

貝桶の結びは以前にも二つ羽蜻蛉結びの雌雄の結びを載せました。(2006年3月6日http://purple.ap.teacup.com/applet/yaya/20060306/archive)この鱗結びは貝桶だけでなくいろいろな結びに応用出来るポピュラーな結び方です。

貝合せは今は対の貝を探す遊びとなっていますが本来は「絵合せ」「香合せ」などのように優劣を競い合う物合わせ で、対の貝を探す遊びを貝覆と言いました。遊び方は円形に並べる貝を地貝と言い、そこへ出し貝を出してこれと対になる貝を探します。

出し貝は左貝と言い左貝桶に地貝は右貝と言って右貝桶に入れ結び方を違えて保管します。貝桶の写真の左側の結び方が左貝桶です。赤い紐なので分かりづらいと思いますが左からと右からと最後の紐の通し方によって結び上がりが違い、これで一対になります。

お香にも「貝合香」があり、お答に右貝、左貝、空貝などと書く組香があります。
右貝は膨らみの大きい貝の方で左貝は平たい方をさすようです。

昨年の秋『貝桶の結び方を教えて』とメールボックスにお尋ねがありました。なんでも貝桶の結びを解いたら結べなくなったそうです。本の画像をお送りしたところ、「結べました」と家紋入りの立派な貝桶の写真が届きました。その写真を掲載したかったのですが家紋入りなので控えました。
(この写真の貝桶は六角ですがお送り頂いたのは八角の貝桶で本にも八角の貝桶には鱗結びがしてありました。紐のかかり方が違うので六角の貝桶で結ぶと多少形が異なって見えおさまりが悪いようです。六角の桶には二つ羽蜻蛉結がいいようですね)

昨年はもう一件、貝桶の結び方と訶梨勒の作り方のお尋ねがありました。こうしてほんの少しでもSAKURAがお役に立っているようなのは嬉しいことです。



吊雛

2009-03-15 01:40:00 | 
 







 菜虫蝶と化す候となりました

お水取りもすんでいよいよ春本番です。
実家の庭のラッパ水仙は必ずお水取りの頃に咲き母が毎年感嘆しておりました。最近妹から分けてもらったミニラッパ水仙が花壇でこの時期に咲くようになり母の言葉を思い出しています。

この画像は友人のY子さんが作られた吊雛とその中ののアップです。(Y子さんお写真ありがとうございます
この鶏の袋は珍しいものですが
天を照らし闇を葬る。天照大神のお使い、伊勢神宮に放し飼いになっているニワトリとか。

昨年こちらの「吊雛の会」のお知らせを頂いたのですがまだ足が完治せずお伺いできませんでした。
下の写真はずいぶん沢山のお細工ものが下がっていて素晴らしいものですがこれだけ作るにはどれだけの思いがこめられているのかと感動を覚えます。


先日80年前の母の手作りの吊雛のお細工物を解いて型紙を取り直したと言う80歳の方のTVを見ました。母の跡を辿ることでその思いや形が継承されるのでしょう。
吊雛の中には袋物が多く、眺めるだけでなく女性達の楽しい持物でもあったと思います。

偶然さくらさんが掲示板に吊雛の写真を載せてくれました。この写真がY子さん宅の吊雛の会の折りの写真に似ています。合わせてご覧になって下さい。(さくらさんお写真ありがとうございます)


立雛

2009-03-10 00:23:00 | 








桃始めて咲く候となりました

夜ごとに春の月が膨らんで明日は満月です。
春の夜の月、なんだか華やいで心が浮かれます。

画像は昨秋の奈良の旅のお土産で一刀彫りの立雛です。
着物の柄が藤だったのが気に入りました。
旧歴の上巳の節句は四月の頃で昔の雛の着物には藤の模様が多いです。なんでもふじ(藤)に無事の願を込めたようです。

雛の並べ方は古くは上手が上位なので内裏さまを右に飾りたいところです。でも立雛は男雛と女雛が逆になると覚え信じていました。
「吉野山」言う静御前と忠信の道行の舞踊に二人が立雛のように立つ形があります。忠信は下手、静が上手に立つのでこの形が正確な立雛の形と思っていました。
最近「もしかすると忠信は臣下なので下手だったのかな?」と迷いだしました。
ネットで見てみるとどちらの立雛もあるようでした。
本当の立雛の飾り方を知りたいと思っていますのでどなたか分かりましたらお教え下さいませ。