SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

包む 結ぶ 遊ぶ いにしえに学ぶ

紙紐の栞

2009-04-30 23:56:00 | 








牡丹花咲く候となりました

ゴールデンウイークが始まりました。
以前は庭が綺麗なこの時期にお客さまをお招きしましたがここ数年、花々が早くなり藤はもう終わり躑躅もすでに盛りを越えています。なにか回転が早まっている気がします。

今月の和のコーナ、手作りは今月のテーマが平紐の結びだったので紙紐を編んだ栞にしました。
白い手すきの紙が蝉の羽根のような感じで初夏に丁度よいと思います。和紙なので本に優しくていいのではないでしょうか?
これはよく麦わら細工で作ったものです。

作り方の詳細は掲示板に大きくなる画像と一緒に載せておきます。 
右は四つ組で少し複雑なので左側の作り方を載せておきます。
これは三編ですが<style="color:blue">五編、六編、八編みも出来ます。
紙の幅を正確にカットしないと綺麗に出来ないので気を付けてカットして下さい。最初は少し幅広で練習して要領をつかむのがいいと思います。



産着の飾り結び

2009-04-25 06:04:00 | 







霜止み苗出づの候となりました

万緑の中若葉がそよいでいます。爽やかな季節となりました。

これは産着を畳んだ時の付け紐の飾り結びです。
産着を贈る時にこんな風に畳んでからこうした飾り結びにするといいですね。
結び方はただのこま結びなのですが六角形になっています。産着が無かったので大昔の息子のお宮参りの紐で結んでみましたが幅が広すぎて大きくなりました。もう少し細ければ長さが出て横紐から5センチほど下に出でてよい形になります。全体で見ると菱形のようにも見えますね。

ずっと以前に(2006/3/20)子供の付け紐の縫いとりを載せましたがこの着物にも紅白で飾りしつけがしてありました。
私も子供の頃の着物にはこうした縫いが付いていたのを覚えています。こうして手間をかけて付けてくれた母親の有難さを思います。


中元結び

2009-04-20 07:30:00 | 
 






穀雨 となり 葭始めて生づ の候となりました

すっかり夏木立になった朴の木に花が咲きました。
藤の花房も紫が濃くなってもう開き始めました。

桐箱に帯として掛けた中元結です。分かり難いかもしれませんが中央がになって斜めに対角線が入ったように折れています。
お中元にこんな帯をかけたことからの名前でしょうか。これは祝儀のお包の帯としても紅白や金銀でかけたりしますので水引と同じ扱いになるようです。
今回は軽いお祝事をイメージして掛けてみました。親しい方のつもりなのでちょうど咲いた菫の花を花熨斗として付けてみました。

この中元結びは花包の帯として桃包や昨年の卯の花包、端午の節句包、菜の花の包(2008/3/5)などずっと掛けてきました。菜の花に掛けた結び方が正確なもので、両脇に羽根が付きます。左右を色違いにしたり(2007/10/3「女郎花の華包」)いろいろ変化が付けられますのでブログ内検索の花包でご覧になってみて下さい。

昨日NHKの大河ドラマで上杉景勝の妻菊姫が丈長をかけていました。丈長の結びも中元結びにします。
丈長は髷や髪を束ねたところにつける紙の飾りで、画像の帯のようなものです。(余談ですが華姫は菅糸で、お船は紐を髪の飾りに結んでいて、ちょっと根拠が変かな?と思いつつ見ていました。

最近妹宅から娘時代の簪の箱が出てきました。半世紀も前のものですがこの中に丈長も残っていてまるでタイムカプセルのようで二人で昔話にひたりました。母や祖母のものまで入っていました。
撮みの簪も型崩れもなく見事な細工でしたのでいつかお見せしたいと思います。


刀の下げ緒の結び

2009-04-15 23:01:00 | 
 






虹始めて見る 候となりました

いつの間にか花ミズキが咲きだして藤の蕾も膨らんでいます。枇杷には小さな実も見受けられ季節は初夏へと移行しているようです。

これは刀の下げ緒の結びです。
刀の下げ緒と言ってもあまりなじみがなくイメージし難いかと思い本の画像を撮りました。
これは帯刀していな時の結び方ですが、これを解いて刀を身に着けた時の紐先の結び方が上の写真です。

下げ緒は組紐や真田紐が使われましたが、廃刀令以後帯締めにその技術が流用されるようになったそうです。
上の写真も帯締めで結んでみました。

刀の下げ緒ではなく携帯のストラップなど実用に工夫出来るのではいかと思います。



一束一本

2009-04-10 23:51:00 | 







雁水へ帰る候となりました

萌えだした芝生の上に桜の花びらが散り敷いてまだら模様を描いています。
木蓮、しゃが、春海棠、連翹と春の花々と若葉の彩りが綺麗です。

画像は一束一本の結びです。あまり聞きなれない言葉ですが武家が公家方に献上する品のようです。
原則杉原紙に扇を一本添えるようですが紙は後に檀紙など杉原紙に限らなくなったようです。

結びの本に載っていたのを真似たものですが平紐ではなく紙紐なのが面白いと思いました。これは紙からはみ出すように結んであったので忠実に大きく結んでみましたが紙紐の色は時候に合わせて桜色にしてみました。
珍しいのは蝶の羽根にあたる両ワサが手前になっていることで、 上の字の向きと反対になっています。この意味に頭を悩ませています。
喜遊笑覧には扇が中啓でもいいようで香など焚きしめると書いてありましたがあまり資料もないのでよく分かりません。
なんだかおうつりが連想されますがおうつりの原型でしょうか? 

平紐をその幅で蝶結びにするのは結構難しいものですがこんな風に紙紐を結んで贈答用に使ってみては如何でしょう。
千代紙などで結んだら可愛いリボン代わりになるでしょう。
こうした古い例を今に生かせたらと思います。
今月は平紐の結びをとりあげたいと思います。