周平の『コトノハノハコ』

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コトノハラビリンス2~epilogue~

2021年04月29日 | コトノハラビリンス
4人が周平から最終問題を出されてから25分が経過した。
最終問題はこれまであまり活躍できていなかった手越が冴えていたようだ。

加藤「手越ナイス! ちょっと無理はあるけど… たぶん、これだ! これしかない!」

増田「うん、たしか私、第1問の後にそんな事言ってたし。手越君答えちゃって!」

手越「いや、ここはやっぱり頼りになる小山っちでしょ!」

小山「じゃあ俺が言うよ?」

手越「任せた!」

小山「答えは"ヘイセイハカコニ"(平成は過去に)です。」

周平「ファイナルアンサー?」

小山「ファイナルアンサー!」

周平「皆様、大変お疲れ様でした。残念ながら不正解です! よっしゃ!」

加藤「何でだよ!?」

増田「どうして? ちゃんと文章として成り立ってるのに! それに、第1問の後に私そんな感じの事言ってましたよね?」

手越「…」

小山「これが正解じゃないなら一体何が正解なんですか?」

周平「最終問題の注意事項をよく読んでみてください。"カを抜いて、慎重に考えて下さい"って書いてあるじゃないですか。つまり"カ"を抜いて残りの7文字で考えるんですよ。」

加藤「ふざけんな! いかさま野郎!」

小山「で、答えは何なんですか?」

周平「答えは"ニヘイハセコイ"(二瓶はせこい)です。」

増田「そ、そんなぁ… たしかに二瓶君はせこいけど…」

こうして4人は二瓶も交通費も取り戻せずに、また5時間以上かけて東京へと戻った。
それぞれが終電ギリギリで帰宅できた。

加藤、小山、増田のシフトが翌日からキツくなった事は言うまでもない。
しかし、それは二瓶も一緒だった。
二瓶も福島県の某コンビニでキツめのシフトで働いている。周平と共に。

そして、相変わらず無職のままの手越は…。

手越「もしもし、周平さん?」

周平「あ、手越さんですか? 先日はお疲れ様でした。まさか手越さんも参加者として現れるとは思ってもみませんでしたよ! まぁ、おかげで協力してもらえる事が増えて助かりましたが。」

手越「俺も想定外でしたよ。あの日は夜に合コンの予定もあったのに、東京に着いた頃には終わっちゃってましたよ…。ところで周平さん、約束のギャラ覚えてますよね?」

周平「ちゃんと覚えてますよ。二瓶君を連れ去る強盗の協力と、最終問題を不正解に導く協力をしてくれた分の10万円、今から振り込みますね!」

《完》