前回スタートした新企画『シューピー散文クッキング』、その第1弾のタイトルは『夢馬鹿』に決定しましたが、それが正しいのか間違ってるのかは誰にも分かりません。今後の展開も結末も分かりません。
なぜならこの新企画は、周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけないのです。
さて、今回の材料は…
「起伏」…小さじ2杯
「国勢」…大さじ3杯(どう使えとw)
「便覧」…大さじ4杯
「塔」…小さじ3杯
「こじ開ける」…小さじ2杯
前回よりはマシだけど、どうしよう…。全く方向が読めないけど、第2話スタート!!
『夢馬鹿』~第2話~
つい先ほどまで俯きながら泣いていた家内が、今度はまた怒りタイムに戻ったらしく、立ち上がって私の横に来た。
椅子に座ったままの私からは高くそびえる"塔"ようにさえ感じた。
家内のこの"起伏"を抑える方法は1つしかない事は私も分かってはいる。
私が先ほどまで熱く語っていたラーメン屋を開く夢をあきらめるしかないのだ。
家内の口からは「離婚」という言葉まで飛び出してしまった。
何の偶然か嫌がらせか、たまたま今日、5年に1度の"国勢"調査の調査票が自宅に届いたところだった。
このままでは家族構成などどう記入したら良いか分からなくなる。
翌朝、いつもと何ら変わらない一日が始まった。
唯一普段と違うのは家内が口を利いてくれない事だ。
この何とも言えない居心地の悪い真っ暗な世界からの脱出口を"こじ開ける"方法が載っている"便覧"を誰か持っていないだろうか。
沈黙に包まれた朝の食卓に耐えられなくなった私は、何を血迷ったのか6歳の息子に将来の夢を訊いてしまった。
今、この状況において「夢」という単語は禁句である。
「仮面ライダーになりたい!」と息子は無邪気に答えた。
それでも家内の顔はほころばない。
食パンってこんなにも固かっただろうか。
牛乳ってこんなにも味が無かっただろうか。
《第3話へ続く》
なぜならこの新企画は、周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけないのです。
さて、今回の材料は…
「起伏」…小さじ2杯
「国勢」…大さじ3杯(どう使えとw)
「便覧」…大さじ4杯
「塔」…小さじ3杯
「こじ開ける」…小さじ2杯
前回よりはマシだけど、どうしよう…。全く方向が読めないけど、第2話スタート!!
『夢馬鹿』~第2話~
つい先ほどまで俯きながら泣いていた家内が、今度はまた怒りタイムに戻ったらしく、立ち上がって私の横に来た。
椅子に座ったままの私からは高くそびえる"塔"ようにさえ感じた。
家内のこの"起伏"を抑える方法は1つしかない事は私も分かってはいる。
私が先ほどまで熱く語っていたラーメン屋を開く夢をあきらめるしかないのだ。
家内の口からは「離婚」という言葉まで飛び出してしまった。
何の偶然か嫌がらせか、たまたま今日、5年に1度の"国勢"調査の調査票が自宅に届いたところだった。
このままでは家族構成などどう記入したら良いか分からなくなる。
翌朝、いつもと何ら変わらない一日が始まった。
唯一普段と違うのは家内が口を利いてくれない事だ。
この何とも言えない居心地の悪い真っ暗な世界からの脱出口を"こじ開ける"方法が載っている"便覧"を誰か持っていないだろうか。
沈黙に包まれた朝の食卓に耐えられなくなった私は、何を血迷ったのか6歳の息子に将来の夢を訊いてしまった。
今、この状況において「夢」という単語は禁句である。
「仮面ライダーになりたい!」と息子は無邪気に答えた。
それでも家内の顔はほころばない。
食パンってこんなにも固かっただろうか。
牛乳ってこんなにも味が無かっただろうか。
《第3話へ続く》