先日Rさんがうちのオフィスに遊びに来てくれました。
お会いするのは約2年ぶりです。
Rさんは20代後半の華人系のシンガポール人で「結果の出せる営業マン」です。当時うちのお客さんからオファーがでたものの、Rさんの希望と合わず残念ながら採用/入社までには至りませんでした。
特に恩を売った訳ではないのですが(笑)、そのときRさんは私の仕事にとても感謝してくれて、以後会わないまでもコンタクトを取る間柄になりました。そんなRさんは現在ある大手シンガポール企業で働いています。そして今年の春に(正確に言うと日本が春の季節のときに)、めでたくご結婚するそうです。
それについてお祝いの言葉を述べていると、Rさんは最近あった奥さんになる方とのエピソードを話してくれました。私はそれを聞いて仰天しました(笑)。なぜかというとRさんはマラソン選手顔負けの距離と時間をその奥さんになる一人の女性のために「走った」のです。
シンガポールの地理やその距離感が分らないと、実感としてその凄さが感じられない話かも知れません。でもRさんが走り続けた「6時間半」という膨大な時間に思いをめぐらして頂けたら、その距離もおのずと感じて頂けると思います。
なんとRさんは、MRTブンレイ駅の前にあるショッピングセンターからインドアスタジアムのあるタンジョンルー・ロードまで走ったのです!ほぼシンガポール島の西から東への移動です。
ことの発端は些細な「口論」。彼女が怒ってタクシーを捕まえて乗り込んだ際、Rさんはこう言ったそうです。「それは誤解だ。自分の誠意を見せるためにタクシーを追いかけてお前のところまで行く!」。彼女はその言葉に耳を貸さず、そしてタクシーは無情にも走り出す。Rさんも走り出す。その距離、タクシーであれば高速を飛ばして30分くらいでしょうか。ぶっ飛ばしたらもしかして20分(笑)。でも高速、をですから。一般道であればなんだかんだで1時間以上はかかるのではないでしょうか。
その後RさんはMRTの線路に沿って走り出し、「ウェストコース・ロード」に出て、「パシルパンジャン・ロードを」走りぬけ、「ヴィボシティ」の前を走り、「ケッペル・ロード」から「アンソン・ロード」入り、「ラウパサ」を通り抜け「サンテック」のところから「ニコルハイウェイ」をひたすら走り、「インドアスタジアム」から「タンジョンルー」に抜けれる近道を知らなかったため、「マウントバッテン・ロード」まで行き、「フォート・ロード」で折り返し、ラストスパートで「タンジョンルー・ロード」に入り、そしてその彼女の自宅までたどり着いたのだそうです。出発は午後4時50分。到着は午後11時20分だったそうです。
その間タクシーで一足も二足も早く帰っていた彼女は、自分の誤解にちょっただけ気付き、Rさんへ何度も電話するもRさんは出ず、とても心配していたそうです。Rさん曰く「携帯のバッテリーが運悪くなくなっていた。」
彼女の家に到着してからRさんは、門番の守衛に事の次第を話して彼の到着を彼女に伝えてもらったそうです。急いで降りてきた彼女はRさんの姿を一目見るなり号泣。Rさんが改めて彼女の誤解を解こうと説明し始めると、自分が悪かったと更に号泣だったそうです。
「彼女は短気なんですよ(笑)。でもそれ以降、短気が直った気がします(笑)。」とRさんは笑いますが、その後三日間Rさんはまともに歩けなかったそうです。
私にとっては命がいくらあっても足りないくらい恐ろしい話です(笑)。
「で、Rさん、そもそも口論になった原因は何だったのですか?」と最後に私は聞いて見ました。するとRさんは、「実は大したことではないのです(苦笑)。二人の結婚式のときにかける“入場曲”についてちょっと誤解があっただけです(笑)。」
そっ、そんなことで!、と私は思わずつぶやいてしまいましたが、若い二人にとっては、特に女性にとっては大変重要なことだったのだと思います(笑)。Rさん、お疲れ様でした!
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