労働法の散歩道

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労働関係書類の保管期間

2023-04-19 14:15:26 | 雇用

令和2年の法令改正で、改正民法にあわせ労基法の時効が2年から5年(当分3年)に延長されました。その案内Q&A中に、保管義務をさだめた書類である「その他労働関係に関する重要な書類」の一覧が示されました。

  種類 書類例 保管起算日
労働者名簿 労働者の死亡、退職、解雇の日
賃金台帳 最後の記入をした日※
雇入れに関する書類 雇入決定関係書類、契約書、労働条件通知書、履歴書、身元引受書等 労働者の死亡、退職、解雇の日
解雇に関する書類 解雇決定関係書類、解雇予告除外認定関係書類、予告手当または退職手当の領収書等 労働者の解雇の日
災害補償に関する書類 診断書、補償の支払、領収関係書類等 災害補償を終わった日
賃金に関する書類 賃金決定関係書類、昇給・減給関係書類等 書類記入完結の日※
その他労働関係に関する重要な書類 出勤簿、タイムカード等の記録、始業・終業時刻など労働時間の記録に関する書類(使用者自ら始業・終業時間を記録したもの、残業命令書及びその報告書並びに労働者が自ら労働時間を記録した報告書)、労使協定書、各種許認可書、退職関係書類、休職・出向関係書類、事業内貯蓄金関係書類等 書類記入完結の日※

上記のほか、保管期限が同様に延長される書類として、次の書類があります。

⑧時間外・休日労働協定における健康福祉確保措置の実施状況に関する記録(則第17条第2項)
⑨専門業務型裁量労働制に係る労働時間の状況等に関する記録(則第24条の2の2第3項第2号)
⑩企画業務型裁量労働制に係る労働時間の状況等に関する記録(則第24条の2の3第3項第2号)
⑪企画業務型裁量労働制等に係る労使委員会の議事録(則第24条の2の4第2項)
⑫年次有給休暇管理簿(則第24条の7)
⑬高度プロフェッショナル制度に係る同意等に関する記録(則第34条の2第15項第4号)
⑭高度プロフェッショナル制度に係る労使委員会の議事録(則第34条の2の3)
⑮労働時間等設定改善委員会の議事録(労働時間等設定改善法施行規則第2条)
⑯労働時間等設定改善企業委員会の議事録(同第4条)

今回の労基法改正で、賃金債権が2年から当分3年に延長されましたが、関係書類の保管期間は元から3年でしたので、実質延長は、賃金債権にからむ起算日に関連して、次の書類の記入完結の日よりも、その書類にかかる賃金支払日がおそい場合は、賃金支払い日が保管期限の起算日となる変更となります。たとえば、3月20日締め3月中に記入完結しても、4月10日支払なら、後となった支払日が起算日です。

②賃金台帳
⑥賃金に関する書類
⑦その他労働関係に関する書類
⑨~⑯(上記参照)

出典:改正労働基準法に関するQ&A(令和2年4月1日)

(2023年4月19日投稿、2024年1月9日編集)

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