このたびの厚労省労働制作審議会分科会で、「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」の作成について資料提示されていました。前々から話題にしていた、新卒向けの職場情報提供義務の中途採用版です。義務化なのか、またスケジューリング等はあきらかではありませんが、いよいよ始まるといったところです。資料から目についた開示事項等抜粋してみました。
- 残業時間
- 有給取得率
- 賃金(含む手取低下しないか否か、中長期見通し)
- 子育て支援(休業取得実績、時短制度)
- 女性比率
- 中途採用者割合
- 人材育成支援
- 在宅、テレワーク、兼業の可否
- 配属部署、同世代入社者の声
- 研修制度、フォロー体制、転勤の有無
開示に関しては、労(求職者)使、有識者から、いろいろな意見が上がっています。同じく目についたものを拾ってみます。記述に関しては筆者の主観がまじっています。
- 企業単位のみならず配属先の情報の2本立てが重要
- 開示できないなら、できないでその理由を併記して情報開示に前向きな姿勢を示すべき。改善の道筋を提示することも有用。
- 情報開示は、求職者の就職先決定というよりも、検討対象選定に利用されている。
- 研究開発に従事するに重要なのは就職先の研究対象であり、職場情報はさして重きをおいていない。
- 社員数が少ないとデータに偏りが生じる
- 提示するデータに各社で算出方法が異なる。算出方法や背景説明をあわせて明記すべき。
- ネガティブな情報開示姿勢がかえって信頼を勝ち取る場合や、イメージギャップ解消につながる場合もある。
- 多量の数値公開はかえって見たい情報にたどりつけない。情報更改頻度が落ちる、陳腐化といった問題がある。
- 聞き出しにくい情報は、職業紹介業者をとおす、(採否を前提としない)カジュアル面接で聞き出すという手法もある。
労使それぞれ思惑言い分があるでしょう。かくされたネガティブ情報に失望を生むことで離職率高進する半面、あらかじめ開示しておくことがギャップ失望を生まずそういう企業なのだとの受け止めたかがすすみ、定着率に寄与する側面もあるとの理解がまたれます。開示できないしたくないそして企業努力もできない事業者は、求職者に見むきもされず労働市場から退出いただきたいものです。以下は、事前にアンケートした内容の抜粋です。
活用している情報源
- 企業ホームページ
- 求人情報サイト
- ハロワインターネットサービス
- ハロワ窓口
知りたい情報
- 給与賞与額(年間収入)
- 具体的職務内容
- 始業終業時刻残業時間
- 勤務地
- 企業がもとめる人物像
- 休暇取得実績
- 処遇(賃金水準、昇進、配置)
- 経営者の人柄考え方
- 同僚上司となる人柄考え方
- 1日の仕事の流れ
- 職場環境
- 出産育児介護復職にかかる支援
知りたくても調べられなかった情報
- 職場の雰囲気、社風
- 仕事内容
- 経営者の人柄
- 評価制度
- 給与収入
- 勤務時間残業時間
- 定着率
手引きが公表されました
厚労省労働報道資料(2024年2月1日投稿、2024年4月1日編集)