労働法の散歩道

yahoo知恵袋で回答していて、繰り返し同じ投稿するロスを減らすために資料室としてもうけました。

障害者雇用納付金(調整金)

2019-02-16 14:26:07 | 雇用

法定雇用率の算出に当たって、ながながと手引書に解説されていますが、要領が得ないと嘆きの声をよく聞きます。

分母には、雇用した障害者を含む総労働者数、たいして分子は障害者数ですが、分母と分子では、数える概念が違ってきています。

分母は、契約・所定上の人数です。週30時以上働くと契約したなら1人とカウントします。週20時間以上(30時間未満)なら0.5人となります。

一方、分子は、対象期間の働けたのか実績が加味されます。就業規則にさだめた年次有給休暇や休職でやすんだのであれば、1人は1人とカウントできますが、そうでなければ書かれてある処置に従って減数となります。

分母と分子の扱いの違いを頭にいれて、もう一度手引書を確認してみてください。なお、分子で減数した場合、分母も減数させるようです。

その上で、不足に対して納付金を納め、超過に対して調整金が支給されます。実際は、月ごとに上で求めた雇用数を年累算し、同様に月ごとに上で求めた雇用障害者数を年累算、その差の人数に、納付金額(調整金)をかけて納付(支給)となります。

例)
年累算法定雇用数:1248人
年累算障害者雇用数:1245.5人

1248-1245.5=2.5人不足  2.5×納付金単価5万円=12.5万円納付

例示は計算の都合上僅少差としましたが、年間つうじて1人不足ですと、納付金は60万円相当になります。

この法定雇用率ですが、実勢を反映させるため5年おきくらいに見直しがなされます。
分子:対象障害者数(就業者+求職者数)
分母:全就業者数+全求職者数
また最低1人雇わねばならない企業の最低雇用数は、この法定雇用率の逆数から求めます。
1÷2.3%=43.478…人 ⇒ 43.5人(43.0人だと、法定雇用率を乗じても1人に達しないので、0.5人刻み切り上げで表示)。現行2.5%になりましたので、切りのいい40人以上雇用企業が対象となります。

法定雇用率(民間)の推移

期  間 法定雇用率
昭和51年10月から昭和63年3月まで 1.5%
平成10年6月まで 1.6%
平成25年3月まで 1.8%
平成30年3月まで 2.0%
令和3年2月まで 2.2%
令和6年3月まで 2.3%
現  行 2.5%
  令和8年7月から(予定) 2.7%

カウント対象の推移

  昭和51年10月~ 昭和63年4月~ 平成10年7月~ 平成18年4月~ 平成30年4月~
身体障害者 カウント対象
知的障害者   カウント可能 カウント対象
精神障害者   カウント可能 カウント対象

身体障害者雇用はS51.10から、知的障害者はH10.7から、精神障害者はH30.4からそれぞれ義務化。それ以前はみなしとしてカウント可能としていました。

(2019年2月16日投稿、2024年4月14日編集)

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