いまだに年次有給休暇で休む労働者の義務という質問/回答をみかけます。働き方改革サイトにある年次有給休暇の解説パンフからアレンジした質問を作り、筆者なりに回答してみました。多分に拙者の見解です。
| Ｑ1 |
労働者は年次有給休暇で最低でも年５日休まなければならないのですか。 |
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いいえ、労働者に年５日休む義務はありません。法が定めるのは年５日未達な労働者に、日付を指定して年次有給休暇で休めと声をかける使用者義務です。声かけしなかった使用者事業者が処罰されます。
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| Ｑ２ |
使用者が勝手に日付を指定していいのでしょうか。 |
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なるだけ労働者の意向を聞いて、希望する日付にあわせるのが望ましいです。
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| Ｑ３ |
５日以上休んでいるのに、さらに指定してきます。 |
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次の場合は、５日を超えて指定されることがあります。
- ５日目の休みを取る前に、使用者の時季指定が先行した場合
- 計画年休（日程を決めた労使協定があるか確認してください）
- 付与されて１年経過前にさらに法定付与された場合（この場合の処理方法は会社により異なりますので、就業規則を確認ください）
そういったことに当てはまらないなら、違法の線が濃厚ですので、所属労働組合や労基署に相談してみましょう。
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| Ｑ４ |
いつ休んだか、何日休んだか教えてくれません。 |
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事業者には、付与してから１年間にいつ何日休んだか記録する義務が課せられています。年次有給休暇管理簿といい、作成してあるなら見せてもらいましょう。してないなら法令帳簿なので作るように言いましょう。作成して５年保管義務（当分３年）があります。
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| Ｑ５ |
半日年次有給休暇で休みを指定できますか。 |
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労働者に日程希望を聞いて、労働者が希望する分には半日年休指定できますが、希望がない場合は使用者からの時季指定は半日でなく１日単位でないとできません。
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| Ｑ６ |
時間単位年休で休みを指定できますか。 |
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労使協定がある時間単位年休を労働者が希望しても、使用者からの時季指定に使えません。労使協定に沿って労働者が指定して時間単位でお休みください。また取得した時間年休をたとえば８時間につき１日へと換算することはできません。時季指定義務の５日は、１日または半日（0.5日）取得の累計です。
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| Ｑ７ |
出勤率８割満たさない労働者に、その出勤率に応じた減数付与をしていますが、減数しても１０日以上付与するなら、時季指定義務の対象でしょうか。 |
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付与しなくてもよい労働者への法を上回る付与ですので、その点を明確に就業規則に規定するか、別名の特別の有給休暇とすれば、対象としなくて差し支えないでしょう。
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| Ｑ８ |
年をまたぐ休職/休業にはいる労働者には、時季指定しなくてもよろしいでしょうか。 |
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法定の１０日以上付与して休業（休職）するまでに５労働日以上あり、５休暇日取得していなければ、時季指定義務の対象です。
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| Ｑ９ |
役員就任する労働者がいますが、時季指定しなくてもよろしいでしょうか。退職する労働者にも同様でしょうか。 |
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労働者でなくなるなら、付与して就任（退職）するまでに５労働日ないといった特段の事情がない限り、５休暇日満ちるまで指定しなければなりません。
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（2024年11月10日投稿）
参考記事
・年休取得、新規付与数からの減数
・年次有給休暇制度の改正経緯
・年次有給休暇の取得率計算
・年次有給休暇の付与数と保持数の変転
・年次有給休暇の付与日数
・年次有給休暇管理簿
・年次有給休暇時季指定義務の事業主対応
・年次有給休暇の時季指定義務（規定例）
・計画年休 運用上の論考
