人間は1日に約6万回、もの
ごとを考えていると言われて
います。将来が不安になった
り、ミスを思い出したりして
落ち込んだり・・・・・
ひとつ悩みが減っても、新た
な悩みが増え、それは尽きる
ことがありません。
でも、いま考えていること
は次の感情や行動に影響し、
やがて運命につながるもの。
考え込み過ぎず、ポジティブ
な未来を引き寄せたいですね。
音というなの清涼剤をあなた
に。
人間は1日に約6万回、もの
ごとを考えていると言われて
います。将来が不安になった
り、ミスを思い出したりして
落ち込んだり・・・・・
ひとつ悩みが減っても、新た
な悩みが増え、それは尽きる
ことがありません。
でも、いま考えていること
は次の感情や行動に影響し、
やがて運命につながるもの。
考え込み過ぎず、ポジティブ
な未来を引き寄せたいですね。
音というなの清涼剤をあなた
に。
生まれた時から持っている、誰
からも愛されるよい面を、生まれ
た時にはすべての人がひとりの
例外もなく持っている、
澄みきった、愛(うつく)しい
心を、損なうことになっても、
失うことになっても、それを承
知で、麻里子みたいな聡明な
女の子が、不毛な恋に踏み込ん
でいくのは、なぜ。
そんなわたしの想いを知ってか、
知らずか、しんみりとした口調
になって、麻里子は言った、
「不思議なの。桃李さんと、会
ってない時の方が、彼のこと、
身近に感じるの。
一緒にいる時の方がうんと淋し
いの。すぐにそばにいる時、た
とえば抱き合っている時なんか
にね、
ああ、この人はあたしから、
何億光年も離れたところにい
るのかもしれない、なんて思
ってしまう。だからすごく淋
しいの。変でしょう?」
どう答えたらのかわからなく
て、わたしは静かに、自分の
お酒を飲み干した。
その時、ピアニストがゆっくり
と、ジャズのバラードを弾き始め
た。
わたしは胸の中で、諳んじてい
る英語の歌詞をなぞっていた。
ひとつの物語を語り終えるよう
に、ピアニストがその曲を弾き
終えた時、
「このままでいることなんて、
あたしにはできない」と麻里子
は言い、そのあとに、呟くよ
うに言ったのだった。
「あたし、もう、だめにな
っちいそう」
かつて、激しく、自分を傾けた
人がいた。
その傾倒は幼く、その幼さ
ゆえに純粋で、わたしという
女を切り裂き、根こそぎ奪い
取ってしまうだけの、
残酷さを合わせ持っていた。
その人は、時々思い出して、
懐かしんだりするような人ではない。
その人はわたしの一部として、
今もここに「いる」。
深い夜に、レールの向こうで
たくさんの蛍が光る。
そのうちにそれが、紫の羽を
持った無数の蝶に変わり、
なぜか白いシーツをバックに
舞っている。
それを小さな少年が、瞳をこら
して見ている。
横に、なぜかお下げ髪の少女に
なっている私がいて、怖くてそば
へ行けない。
「帰ってきて、帰ってきて」と、
叫ぶだけだ。
目覚めると、寝返りをうった彼
の寝息がかすかに聞こえる。
その体を、私はしがみつくように
抱きしめた。
朝、彼を送り出すときの、背中を
見るのがつらかった。
彼に妻子がいようがいまいが
どうでもよかった。
ただ、
いつも判然としない想いにおそわ
れる。
これが、最後ではないかと・・・・・。
背を向けて遠ざかる時、
一瞬、
カレの存在自体が消えるような 気がした。
ベットに入って眠りの訪れ
を持つとき、
私はいつも滔々と流れる大河
を思う。
たとえばそれは、宇宙が誕生
してからずっと永遠へと
流れゆく銀河の河。
私はその一点で生まれて、いつ
か未来の一点で消えてゆく。
誰かを愛して、誰かに愛されて、
悲しんで、喜んで、涙を流して、
笑いながら。
私が生きたことはいつか忘れ
られていくけれど、
確かにこの時代の輝ける命を
残していこう。
銀河のほとりの、名前の知ら
ない星の瞬きのように。