佐久市 ヤナギダ 趣味の店

長野県佐久市野沢93番地
ヤナギダ☎0267-62-0220

『ユーモアについて』

2023-07-27 12:55:11 | 日記
「月見座頭」という狂言がある。
谷崎潤一郎や永井龍夫が小説に
書いているので、ご存じの方も
いると思うが、

概略だけを書いておくと、
ある月のいい晩に盲目の男が月見
に出かける。

目が見えないのだから、月なんか
見えはしないのだが、月夜の静けさ
とか虫の声などは、敏感な盲人の
心には、もしかすると常人より

はるかに身にしみる風景として
感じられるに違いない。

彼はその気分をたのしみつつ、
手酌でちびちびやっていると、そ
こへ下京(しもぎょう)の男が
現われる。

盲人が月見をしているのを見て、
これはまた風流なことだと感心し、
いっしょに月見をしようと、持参
の酒肴をともに飲んだり食ったり
し、はては舞い歌いなどして大い
にたのしむ。

やがて、夜も更けたので、下京の
男は名残を惜しみつつ帰って行った
が、途中まで来て、このまま帰った
のでは面白くない、今度はあいつを
なぶってやろうと、先の盲人のところ
へ行き、
さんんざんに打ったり叩いたりした
あげく、いい気持になって家路を
辿った。

「やれやれ、とんだ災難に出会った。
はじめに来た男は親切に付きあって
くれたが、二度目の奴にはひどい目に
会った。

同じ人間でも違うものだなあ」

と、盲人は感慨にふけりクシャミを
一つして去って行った。同じ人間
どころか、まったく同一人物で
あったところがとてもおかしい。

だからといって、私はお説教をする
つもりはない。誰の中にも二つの相
反するものが住んでいる。

盲人を笑うのは悪いことだが、時に
は私たちも盲人同様目をくらまされ
ていることが多いのではないか。

「月見座頭」とはあんた達のことだ
よ、と舞台の上からいっているよう
に聞こえなくもない。

ユーモアとはそうしたものである。

それは心の余裕であり、他人の身
になって考えられることをいう。

それにつけても、日本語にはめくら
という古来のいい言葉
があるのに、禁句になっているとは、
何ともユーモアに欠ける国民であるこ
とか。

身体障害者といえば、差別したこと
にならないと信じているのだろうか。

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『選ぶ訓練』

2023-07-27 12:53:14 | 日記
注文は一瞬、買い物は即決。

レストランで何を食べようか
迷うこともないし、買い物で
どの服にするか悩むことも
ありません。

はじまりはたぶん、幼い頃。
絵が好きな子どもだった
僕をデパートの美術展に

連れて行くたびに、母はこ
んなことを言いました。

「さあ、どの絵がいいか選んで
みなさい。買っておうちに飾る
つもりで」

もちろん手が届く値段ではあり
ませんが、自分の部屋に飾ると
思えば、真剣になります。

100点の作品を漫然と眺める
より、たった一枚を選んで自分
のものにするという目で見て
いれば、好き嫌いを超えた判断
基準が研ぎ澄まされます。

知らぬ間に親が施してくれた、
ものを選ぶ訓練。これは大人に
なってからの財産になっていま
す。

暮らしも仕事も、選択の連続です。

誰かとランチに行くか行かないか
でさえ、選ばないで保留にしている
と、自分にも相手にも負担になります。

イエスもノーも抱え込んだまま一人で
考えていたら、心地よいズムで生きる
のはむずかしくなります。

これは選ぶ訓練であると同時に、直観
もきたえられ、想像する訓練にもなり
ます。

暮らしのなかに選ぶ訓練をする材料は
あふれています。見つけて試してみて
はいかがでしょうか。
 

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『結婚のほうそく』

2023-07-27 12:52:48 | 日記
◆遺伝の法則
1、彼のお父さんを紹介されたら、
まず頭部をチェックしろ。
2、彼女のお母さんを紹介された
ら、まず体型をチェックしろ。

◆適齢期の娘をもつ父親の法則
娘の選んだ男には反対する。

◆適齢期の娘をもつ母親の法則
父親が反対すると、それに反対
する。

◆「気がききゃいいってものでも
ない」法則
彼の父親がタバコを手にしたから
といって、すかさず火を付けて
あげてはいかない。

ましてや、
近くのおしぼりで、お父様の飲みかけ
のグラスの底を拭くなんてもっての
ほか。

◆横取り防御のオキテ
友人に恋人を紹介するのは、婚約が
成立してからでも遅くない。

◆警告
それでもマヌケなヤツは、友だちに
婚約者をさらわれる。

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『能の醍醐味』とビートたけし

2023-07-27 12:13:55 | 日記
「週刊文春」に、以前、掲載された
たけしと能がきわめて正論で愉快だ
った。

なるべくなら全部書きたいところ
だが、全部書くわけに行かないか
ら抜粋すると、

そもそも彼がお能を見に行ったの
は、「どいつもこいつも浮き足立
つているもんで、少しは気を鎮め
てだな、わびとかさびとかに触れる

のもいいんしゃないか」てんで、
千駄ヶ谷の国立能楽堂へ足を
運んだというわけである。

はじめのうちは眠たくて寝ていた
が「後場(これ後シテでは?)に
入ったら起こされちゃった。

鼓がうるさくて。
で、最後まで一気に見せられて、
いやもうおもしろかったな。

・・・幽玄とか精神文化に関わ
りがあるのが能だとかいわれて
いるらしいけど、全然そうじゃ
ない、あれは昔のロックコン
サートだぜ」

「能の囃子と舞もいいけれど、
能面を使う発想も卓抜でさ、
お面は何も語らないけどすべ
て語るっていうか。


一即多、多即一のサンプルかな。
これが私の感情なんだって表現
を生の顔でやると、それ一個し
かない。

客の想像力が縛られる。ところ
がお面っていうのは一個の感情
表現なんだけど、同時に表現の
消去でもあって、見るものに
よってどうとでもなる」

文句をいえば、謡い(うたい)
の言葉がわかんないのが欠点
だと彼はいうが、

最後には、
日本のガキどもが外国語の
意味もわからず歌っている
のと同じことだ、

要は「ノリ」なわけだから、
お能はM・C・ハマーにだっ
てひけをとらない。ノリ一筋
の馬鹿ばかりでなく、前衛
音楽好きのヤツもどんどん
ファンになっちゃうよ。・・・

と、まあそういった次第なの
だが、私が子供のときからお能
にとりつかれたのも、祖父が
お茶の先生で足さばきが能だっ
たからだ。

能は、今でもノッテ来ると、見
物席でじっとしているのに精一
杯である。

だいたい、一糸乱れず、几帳面
で、見ていてドキドキしないよ
な、踊り出したくならないよう
な演技なんて、何が面白い?

室町時代の世阿弥の頃はみんな
うそうだったに違いないが、

ビートたけしさんの新鮮な眼は、
はからずもお能に一番大切な、
原始的なものをとらえて見せて
くれたのである。

僕は落語家のなりそこないだが、
談志師匠が2流を目指せと、口々
におっしゃていました。
一流になったらお終いだと・・
・・。

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「玲瓏」 ーれいろうー

2023-07-27 11:58:29 | 日記
「どんな喧噪のなかにあっても
眉ひとつ ひそめることなく

嘲笑(わら)いの色にも
悪意の色にも染まらずに

あなたは あなたのままでいた

あなたといると ぼくは時々
音を聴くんだ

かすかな風を知らせるときの
風鈴みたいな

リン、という小さな音を」
【何にも侵されない美しさ】
「玲瓏」という言葉には二つの
意味があります。

一つは、玉のように麗しく光り
輝く様子。もう一つは、玉と玉が
触れ合って鳴る美しい音のことを
さします。

たとえば「八面玲瓏」という言葉が
あります。「八面」とは各方面、全て
の方向という意味です。

つまり、全てが清く澄みきった様子、
転じて人の心の曇りがなく、わだか
まりがなく、人と正しくつきあう
様子を表しています。

中国の詩人・李白の作った詩に
「玉階怨(ぎゃくかいえん)」に、
皇帝の恋人である宮中が皇室の
心離れを憂い、夜、一人で月を
見上げながら思いにふけるとい
情景が描かれています。

恋の切なさが、玲瓏たる月の輝き
のものと、澄んだ美しさを帯びて
迫ります。

「玉階に白露生じ、夜久しくして
羅襪(らべつ)を侵す
却きて水晶を下ろすも 玲瓏として
秋月を望む」

因みに、中国では本妻に翡翠を
愛人にはダイヤモンドを贈ります。



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『受け入れ姿勢の違いが・・・』

2023-07-27 11:56:57 | 日記
『受け入れ姿勢の違いが・・・。』
【すぐれた人と凡庸な人の違い
は受け入れ姿勢の違いにある】

ある職業を喜んで、さらに心から、
受け入れた場合と、その同じ職業
をいやいやながら甘受した場合とで
は、実際に大きな違いがある。

すぐれた会計係と凡庸な会計係、
すぐれた大工と凡庸な大工との
違いはすべてこれである。

「自分のような人間でも、ひろっ
て使ってくれる会社があった。
嬉しい」といって働く人と

「本来はオレのような才能のある
人間が働くような職場ではないが、
しょうがない、勤めてやっている」
と考えて働く人と比べたらどうだ
ろうか。

仕事の取組み姿勢も、仕事のでき
ばえも違っていて当然のことでは
ないだろうか。

職業や職場に対するこうした意識
の違いは、新入社員のうちはあま
り大きな差にならない。

しかし五年、十年たつと取り返し
のつかないほど大きな差になる。

どんな仕事にも奥行があるもので、
一つのことをマスターするとまた
自分の知的収穫に刺激されて
次のことを覚えたり、試したく
なるというようにできている。

誰かが「仕事の報酬は仕事だ」
とうまいことをいっていたが、
そのとおりである。

やっているうちに面白くてたま
らなくなる。

こうやって楽しんで、そのうえ
月給をもらうのだから悪くない。
この人は二重に報酬をもらって
いることになる。

これをくりかえして何年もたつと、
当然明らかに違いがでてくる。

仕事を楽しんでいる人にはいつの
まにか豊富な知識や技術、経験が
身につく。

上司からも仲間からも頼られる
人間になっている。

仕事を心から喜んで受け入れた
結果である。

これに対して平凡なビジネスマン
はこんなふうにいう。「オレは月給
ぐらいの働きはしている」。「会社
の体制をもっと良くしてくれなきゃ
仕事がやりにくくて困る。おまけに

「オレはプロだ」などとうそぶく。
なにがプロなものか。他の仕事は
できないというだけのことではない
か。


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「女生徒」

2023-07-27 11:55:45 | 日記
ぽかんと花を眺めながら、
人間も、本当によいところ
がある、と思った。

花の美しさを見つけたのは
人間だし、花を愛するのも
人間だもの。
「女生徒」/ 太宰治

夜明けは やわらかに 残酷

小さな時の積み重ねも 消えて
いきそうな朝がある

愛して刹那 一晩が終わる刹那
そして一日が始まる刹那

悲しみも凝縮して そして
拡散する

幸福感は 不幸と不幸のはざまに
一瞬よぎり

瞬間 しっかり握らないと 
てのひらから逃げていく

そこはかと ままならない想い
かかえても

愛が そのはざまから 見えたなら
それでいい

クールなのかウエットなのか
わからないままで

愛と区別のつかない恋も
あるのだと

短くも はかなくも 美しく

蝶の ひとひら 羽のように

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「親族の終わりは女」ことわざ―イタリアー

2023-07-27 11:54:40 | 日記
親族が突然入れ替わったり、
増えたりする機会。
それは今も昔も「結婚」です。

イタリア人は血縁関係を大事に
しますが、突然に異分子ともい
える人物が「親族・血縁関係」

に入ってくる「結婚」はある意味
おそろしい賭けみたいなものです。

しかも自分が決めるのでなく、誰
か親族なりが結婚すると、あなた
がどう思おうが関係なく新たに

「親族」が増えるのですから、
考えてみれば不思議な制度です。

だから諺のように「女は親族の
関係性にとって驚異。時には女に
とって親族のいい関係が終わって
しまう」なんて事もあるかもしれ
ません。

実際にヨーロッパの王室や貴族で
は「家柄」を守るためなどもあり
「近親婚」が非情に盛んでした。

また日本でも多くの皇族の方が
かつては「いとこ婚」とされて
いました。

現在でもイスラムの社会では「い
とこ同士の結婚」推奨されていて、
ある調査では半数近くが「いとこ
同士の結婚」の地域コミュニュ
ティなども見つかっています。

これらは、考え方の良し悪しは
別として「女で親族を終わらせ
ない」ための方法の一つかも
しれません。

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