昨年、私はスイカを作っていて、全く受粉ができなくて困ったことがありました。スイカは、人間が人工授粉することもできますが、受粉する時間が限定されていて、その時間以外では受粉ができないという困難さがあります。
たまたま、NHK報道でミツバチの生態系、生息数の激減がアメリカの研究機関で調査、研究され、報道される番組がありました。ミツバチの生存には、花粉と蜜が必要です。その生息数の激減報告は、以下のような内容でした。この報告、報道を見て非常に驚きました。アメリカでは、ミツバチの数が、最高時に比較して半分に減少したと報告されました。
その要因は、作物の単一栽培、季節を通じて花が咲く状況が減少したこと、作物の大規模化、農薬の使用にあるとのことでした。ところが、受粉が必要な作物(野菜、果樹)は三倍に増えているとのことでした。この矛盾した自然界と栽培農家、企業と人間社会の対立に政治、大規模栽培農家・企業は対応していない。そう告発する内容でした。
TPP協定で、競争力のある一次産業とは――安倍、自民党政権が提唱していることと比較してみると、真逆の政策(TPPが)を提起していることがよくわかります。効率、利益を追い求めて、保護しなければならない生物を絶滅に追いやる。そして、そのことをまったく痛みとも受け止められない。そして、利益のために殺虫剤、除草剤を大量に生産し、使用する政策を企業が進める。そして、そのことを政治が野放しにする。愚かで、足元しか見ない利益至上主義、その利益追求の分け前に尻尾を振り続ける安倍、自民党型政治集団の知性とは何なのでしょうか。・・・
<記録>ミツバチがいなくなったら、いったいどうなるの?
ミツバチの役割
私たちが毎日食べている野菜や果物の実りに、ミツバチがとても大きな役割を果たしている事を知っていますか?
ミツバチは、花の蜜を集めるだけではなく、私たちの毎日の食事に欠かせない果物・野菜を栽培する農業の現場において、果実を実らせるための受粉も行っています。
「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」と国連環境計画(UNEP)アヒム・シュタイナー事務局長が2011年に報告しているように、ミツバチは生態系だけではなく、人間にもとても重要なものです。
ミツバチが受粉を行う主な作物
ハチは世界の作物の3分の1を受粉していると言われていますが、受粉で実のるおもな作物は下記になります。
リンゴ、アーモンド、アスパラガス、ブラックベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、カカオ、ニンジン、カリフラワー 、セロリ、サクランボ、ナス、ニンニク、ライチ、マカダミア、マンゴー、ナツメグ、タマネギ、パッションフルーツ、桃、梨、梅、かぼちゃ、ラズベリー、ポンカン、スイカ
いなくなるミツバチ
そのミツバチが、世界中で姿を消しています。日本でも各地で、ミツバチの大量死や、ミツバチの巣に異変が見られています。さまざまな原因が複合的に影響を与えていると言われていますが、その中でももっとも直接的な原因とされているのが、ネオニコチノイド系農薬です。
農薬会社はその影響を否定し続けています。その理由は、決定的な証拠がないからというもの。しかし、影響が決定的になってから規制するのでは手遅れです。このネオニコチノイド系農薬、ヨーロッパではミツバチに対して有害性があると明らかになったことから、使用禁止が始まっています。
ヨーロッパでは使用禁止。日本では?
ハチに影響をあたえるネオニコチノイド系農薬。日本では禁止どころか、逆に規制緩和が進んでいるのです。厚生労働省は2013年10月、ホウレンソウ、ハクサイ、カブなど約40種類の食品に含まれるネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの残留農薬基準値を最大2000倍と大幅に緩和する方針を示しました。
その後のパブリックコメントでは、異例の1000件を超える意見が集まり、消費者の意識の高まりがうかがえます。
これまで、市民は20000を超える反対署名(2014年からの合計)や2000近いパブリックコメントを提出してきましたが、健康や食の安全責任のある厚生労働省も、農林水産省も、こうした声に一切答えようとしていません。
ならば、国民をまもる法律をつくる責務のある国会議員に、早急に対策を始めるようはたらきかけませんか?
【子ども・ミツバチ保護法を求める署名】では、ミツバチの大量死や、子どもの健康への悪影響につながる可能性のあるネオニコチノイド系などの農薬の規制を求めています。
グリーンピースが目指すのは、ミツバチの恵みに支えられ、安全な食で子どもを健康に育める環境。そのためには、大量の合成化学農薬に頼る今日の農業から、生態系に調和した農業へと転換することこそが、根本的な解決の道です。