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秋田角館抱返渓谷の紅葉
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渓谷の風景、水は青緑の澄んだ色です。
仙台国際センターに二千人を越える市民が参加して開催されました。雨が降り、大学女子駅伝で交通規制される中で開催されました。大江健三郎さんが、「本質的なモラルということ」をテーマに講演を行いました。その中で作家が、これがと思う作品を出さなければならない。その中で「次の世代が生きてゆくことができる社会を残すこと」が根本的なモラルだといっている。
日本国憲法を守ること。原子力発電所を無くすこと。これらが、「次の世代が生きてゆくことができる社会を残すこと」になる。そのことが通じることになると訴えました。日本国憲法を、自民党の右翼的勢力、石原慎太郎(前)都知事が攻撃している。しかし、日本国憲法が制定される過程で、この憲法が必要とされて、歓迎されて出来上がってきたのである。広島、長崎に原子爆弾が投下され、大都市はほとんど焦土となり、完全に日本は戦争に負けた。その中で、敗戦後に日本人が希望を持てたのはなぜか?
それは、日本国憲法が、平和を求め、戦争を放棄することをうたったからではないか。日本国憲法が新しい日本、日本人像をうたったことに日本人は希望を見出したのではないか。私たち子供も、大人も希望を持てたことは事実である。日本軍によって侵略された国々も、日本国憲法を認めてくれた。この憲法を無くすことが良いかどうか考えて見なければならない。
石原慎太郎氏が憲法を改悪したいといっている。その理由は、アメリカ(進駐軍)に押し付けられた憲法だからと言っている。その(現)アメリカが日本国憲法を一番変えたいと言っているのではないか。アメリカ政権は日本が戦争の出来る国になってほしいと要求しているのだ。このような皮肉を彼はどう考えているのか。
日本国憲法は、今日のような憲法改悪の動きが起きることを想定していたのではないか。日本国憲法は、改正(改悪)をしたいという人々が出てきても簡単に改正されにくい憲法としたのだと思う。このような憲法を硬質な憲法という。硬質な憲法というとき、フランス憲法(人権宣言が憲法の前条項に生かされている)、アメリカ憲法(全州の賛成がなければ憲法改正が出来ない)、ドイツ憲法(人間の自由、倫理観の大切さ)などもそれぞれ特徴を持っている。
最後に、「星の王子さま」(サン=テグジュペリ作)の一説を引用して以下のように結びました。「大切なもの(かんじんなこと)は、目に見えない」「大切なこと(かんじんなこと)は、心で見るものだ」。星の王子さまは、「人間っていうものは、この大切なことを忘れているんだよ。――――」
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