安倍、自民党政権が進める戦争の出来る国家、日本の動きがアメリカなどからどう見られているかを示す、1つの見解だと思います。外交問題を戦争、軍事衝突に発展させないことが、歴史の教訓であることは確かです。安倍、自民党政権が繰り返す、中国、韓国などへの歴史改ざん認識、侵略戦争否定論、慰安婦問題、靖国参拝は、隣国である中国、韓国の反日感情の高まりを激高させるのみです。また、中国による領土問題に対する対応は軍事衝突に発展する可能性が強い点で非常に問題がある行動となっています。あらゆる紛争を軍事衝突につなげずに、外交交渉による話し合いで解決することを原則とすべきです。
<2014年は東アジアの緊張が高まる年に (MICHAEL AUSLIN)>
東アジアにとって2013年は無益な年だった。中国、日本、韓国、北朝鮮の新指導者は、それぞれの外交関係上の諸問題を解決できず、14年にはもっと大きな緊張に直面しようとしている。一方、米国の東アジアに対する消極姿勢が露呈したことも不安感を増幅しただけだった。この傾向が来年も続けば、故意にせよ偶然にせよ、衝突が起きる危険性は劇的に高まるだろう。
今年、非常に残念だったのは、アジアの指導者が領土紛争について外交面でまったく進展を果たせなかったことだ。南シナ海の南沙諸島でも、東シナ海の尖閣諸島でも、領有権をめぐる対立はさらに深まった。
中国は南シナ海への圧力を緩和させることを断固拒否し、東シナ海では日本や韓国の防空識別圏と一部重なり合う形で、自国の識別圏を設置するというかつてない行動に打って出た。日本も韓国も中国の識別圏設置を受け入れておらず、いずれかの国の戦闘機が危機を引き起こす恐れがある。
傾向線は悪い方向に向かっている。尖閣諸島周辺水域で日本の巡視船が中国漁船の船長を逮捕した事件が日中間の競り合いを引き起こしてから3年間経ったが、両国間の対立解消の見通しは立っていない。日本はこのほど発表した新たな防衛計画の大綱で、中国の軍備近代化に呼応して防衛費を大幅拡大した。安倍晋三首相が26日に靖国神社を参拝したことについては、強い憤りを表明した。
一方、日韓関係の悪化も数十年ぶりの深刻さとなっている。朴槿恵大統領は、安倍首相との首脳会談を拒否し、訪韓する米政府高官に対し慰安婦など歴史問題で激しい対日批判を口にしている。安倍首相が靖国神社を参拝したことも加わり、日韓の政治的な和解はありそうもない。東アジアの主要な自由主義国は反目し合い、共通の懸念である北朝鮮問題で協力できない状態となっている。
北朝鮮は、12月に金正恩第1書記の叔父で、金正日政権下でナンバー2だった張成沢国防委員会副委員長が処刑されるというショッキングなニュースで再び耳目を集めた。張氏は中国に近く、段階的な経済改革を進めようとしていたとされ、同氏の処刑は国際的にも影響を与えている。張氏の失脚は北朝鮮での流血の粛清の前兆なのか、北朝鮮と韓国が衝突することになるのか、はたまた金正恩体制内の不安定度が高まるのかどうかは、誰にも分からない。
はっきりしているのは、金正恩氏が「改革派」となるとの希望はすべて絶たれたことだ。張氏の粛清により北朝鮮と諸外国との間で実効性のある外交が展開される可能性はますます薄らいでいるようだ。北朝鮮の孤立が深まるのはほぼ確実で、朝鮮半島だけでなく東アジアの将来の安定に対する不透明感が強まるだろう。
米国も、今年は東アジアでの存在感を後退させた。オバマ政権はアジア外交へ比重を移すリバランス(再均衡)を主張し続けているが、大統領は10月に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と東アジアサミットを、国内政治が行き詰まり状態となったことから欠席した。オバマ氏の不在に乗じて、中国の習近平・国家主席はインドネシアやマレーシアと貿易協定を結び経済関係を深め、李克強首相はブルネイやタイ、ベトナムを訪問した。
中国の防空識別圏設定は、米国のアジアにおける支配的地位に対する直接的な挑戦と解釈されている。米国は、中国の識別圏内に爆撃機数機を飛行させたものの、それ以上は中国の措置に強い抗議はせず、日韓の間を取り持とうともしなかったことで、米政府の政治的意思をめぐる疑念を呼び起こした。
したがって東アジアは、相変わらず不安定な状態だ。経済的な相互依存の高まりを受け、中国は日本や韓国、ベトナムにとって最大の貿易相手国である一方、紛争の懸念が非常に差し迫ったものとなっている。中国が軍備増強を続けていることも諸外国にとって脅威だ。最近では米国をも射程に入れる核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイルの実験を行った。また少なくとも2種のステルス戦闘機を開発し、サイバー攻撃やインターネット上のスパイ行為に一段と力を入れている。
国際情勢のウォッチャーとしては、東アジア諸国は相互に脅し合いを続け、全面対立に少しずつ近づいているのではと結論付けざるを得ない。おそらく、これら諸国は、軍事衝突のリスクを深刻には受け止めていない。あるいは、国内で政治的な反発を招く恐れがあるため、一歩退いて平和的に物事を解決することはできないと思っているのかもしれない。非常に恐ろしいのは、東アジア諸国がひょっとすると面白半分に戦争を始めてしまうほど憎しみ合っているかもしれないことだ。
理由が何であれ、米国が東アジア地域に長年提供してきた安全保障の毛布はすり切れたようだ。しかしそれに代わる緊密な協力関係は出来ていない。したがって東アジアにとって2014年は危ない橋を渡る1年になりそうだ。
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