過去4回の衆参選挙結果(比例区、比例代表)ら見て今回の結果で、投票数、得票率ともに最大であった党は自民党1846万票、34.7%、日本共産党515.4万票、9.4%の2党でした。得票率のみ最高だった党が公明党14.2%でした。いわゆる組織政党といわれる政党が得票数、得票率ともに伸ばしたといえる結果となっています。今回参議院選挙、前回の衆議院選挙で敗北した民主党の特徴は、綱領を持たないこと。寄せ集めの選挙互助会政党であったことです。また、維新の会は、前回総選挙で投票数、得票率ともに最高を記録しましたが、今回の参議院選挙では半減しました。橋下の「慰安婦発言」があったことが直接の支持率凋落のきっかけですが、本質的には国政政党としての要件を持っていないことがその要因です
政党内にいろいろな意見があることが当然だし、正しいとする意見が学者の中でも出ています。選挙に当たって、自民党本部が提起した政策と地域の選挙区候補が掲げた政策が異なる場合がありました。北海道、沖縄などは普天間基地移設、TPP交渉参加などで異なる主張を展開しました。実際にあった事例です。これらの事例は、政党が選挙民を結果としてだますことになることはあきらかです。選挙民が政党本部の政策、地域の候補が掲げる政策の違いを認知できるか。そのことを容認して投票したかです。ほとんどの場合、認識すら出来なかったのではないかと思います。政党が政策を議論する過程でいろいろな意見を出し合い、検討することは非難される理由はありません。しかし、決定された公表された政策と違うとして選挙民をだますやり方は、許されるものではありません。このことは、民主党政権が公約違反を党首、執行部が行ったことを見ればあきらかです。このようなことを許せば、政治モラルの退廃、政治不信は増幅し、代議員制度も機能しなくなることはあきらかです。
ねじれの解消に関して、マスコミ、政治評論家が今回の参議院選挙の争点であるとしてきました。そのねじれが結果として解消したので(よかった)としているのが大手マスコミ、自公政権支持者の主張です。しかし、ねじれは二院制度としては普通のことであり、制度自体が内包している本質です。政権党と野党がアクセルとブレーキに例えられることと同じです。衆議院の暴走、間違いを正す機能を参議院に期待する、与えることが当初からの制度設計上の理由でした。ねじれの解消が参議院選挙の争点などは全くの「でたらめ」です。そのくらいの知識は持っていたはずですが、自民党政権を勝たせるための宣伝をマスコミが果たしたということが事実ではないかと思います。ねじれで最大の問題は、選挙結果の議席配分です。34.7%の投票率で、過半数の議席を獲得する選挙制度こそが最大のねじれを発生させています。消費税率引き上げ反対、原子力発電所再稼動、憲法改正についてはすべて反対だと考えている国民が過半数を超えています。しかし、今回の議席数は自公政党に過半数の議席を配分したわけであり、このことこそがねじれの極地です。
自公政権が憲法改正、集団的自衛権容認、原発再稼動、消費税率の引き上げなどを強引に進めれば必ず、その反撃が国民側からされるでしょう。その結果、次回の総選挙で自民党が少数派になること。そのような状況を作ることが今後の課題だと思います。
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