本当に良かったです。右翼暴力団の脅迫に負けないこと。このような取り組み、判断が1つ1つ積み重なり、民主的な社会を作り、維持していることを歓迎します。
<北海道新聞>北星学園大学の教員「市民の力の勝利」元朝日新聞記者の雇用継続
雇用継続の決定に、北星学園大の教員の一人は「これは市民の力の勝利だ」と言った。
もし多数意見をとったら、継続はない―。これは学内の多くの見方だ。大学への脅し、嫌がらせの電話は700件以上、メールは2千件近く。個々の教授にもメールが来るほど深刻だ。
だが、田村信一学長は多数決を選択しなかった。学外の流れは違ったからだ。
10月6日、市民団体「負けるな北星!の会」が発足し、賛同人は海外10カ国32人を含む1200人を突破した。運動は手弁当。学生から年金生活者まで、必要な時に必要な人がメールで、喫茶店などに集まった。
会の支援要請で声明を発表した団体は、日本ペンクラブなど20を超えた。「無料で講座をする」と大学に提案する著名人や個人でチラシ配布、カンパをする市民も現れた。伊藤誠一・元札幌弁護士会会長は歴代会長13人を訪ね協力を求めた。
学校法人の理事会でも、雇用継続を求める理事らが他の理事たち一人一人を説得に歩いた。初めは小さな個人の動きが合流し、大きな流れとなった。
「市民の力」と表現した教員は言う。「今回、確信した。民主主義は政治家や学者によって守られるものではない。市民が納得のいかないことに声を上げ、議論をし、自らも説明責任を果たすことでしか、実現しない」
■勇気ある決断/警察は捜査を
上田文雄札幌市長の話 パキスタンで女子教育の権利を求め、過激派に銃撃されたマララ・ユスフザイさん(17)の「テロリストの思想や銃弾は勝てなかった。私たちの声はより大きくなる」という言葉を胸に17日、田村学長にこうメールした。「マララの声が聞こえた思いです。ご英断に心からの敬意を表します」
米紙ニューヨーク・タイムズのマーティン・ファクラー東京支局長の話 朝日バッシングでこの数カ月、日本全体が声を上げづらい空気だった。北星大には、勇気を持って立ち上がった人たちがいた。大学も勇気ある決断ができた。他の人がそれを見て、また勇気を出す。日本社会がバランスを取り戻す転換点になる。
結城洋一郎小樽商大名誉教授の話 北星大が脅迫に屈すると「あいつを気に入らないから辞めさせろ」と、あらゆる組織で同じことが起きかねない。今回の誇りある決断は、そうした風潮を抑止する。警察は警備を強化し、脅迫などの捜査を進めるべきだ。愉快犯であっても、厳しい態度を示すべきだ。
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