私は特に意識せずに何でも映画を観ますが、結果的に洋画が多くなります。
9月に鑑賞した作品は、珍しく邦画の方が多くなりました。
まだまだ邦画にはがんばってもらいたいですね。
今回も、9月に劇場で鑑賞した中からおすすめの作品をご紹介します。
1945年のデンマークが舞台です。
子供目線の作品ですが、子供向けではありません。
戦争の精神的な恐ろしさが描かれた作品です。
戦争に翻弄される子供たちの話はよくありますが、戦時下での子供同士の世界が描かれた作品はあまり観たことがありませんでした。
突如いじめが始まってしまったりするのが悲しかったです。
戦争により、身近なところから亀裂が生じて身内との関係も修復不可能になることもあります。
実戦だけが戦争ではありません。
静かに寄り添ってくれるような音楽も良かったです。
◎呉美保監督『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024、日本)
コーダである原作者の五十嵐大とその家族を描いた作品です。
キャスティングが素晴らしいです。
特に、本作はやはり吉沢亮!
様々な思いを抱えている演技がとても良かったです。
無駄に恋愛要素を入れたりせず、必要以上に感動的な流れにしない構成に好感が持てました。
お涙頂戴の大衆的な作品だったら、大が結婚して妻子を連れてUターンしてハッピーエンドなのでしょう。
それではやりすぎです。
あくまでひとつの家族を丁寧に描いた作品で、押し付けがましくないところが良かったです。
◎牛丸亮監督『クオリア』(2023、日本)
個人的に会話劇があまり得意ではないのですが、本作はとても楽しく観ることができました。
舞台作品を元にした作品であり、場面がほとんど変わらない純粋な会話劇とは異なるせいもあるでしょう。
鑑賞後に感想を語り合いたくなる、かなり見応えある作品でした。
人によって感想が異なると思います。
私は、清々しいラストシーンに感じました。
終盤で意外な告白があったので、それを踏まえてもう一度最初から観てみたいです。
観る者を良い意味で振り回す、佐々木心音の演技が素晴らしかったです。