11月は、1本だけでしたが良作に出会えました。
◎藤井道人監督『正体』(2024/日本)
藤井監督の作品は最近イマイチ刺さらないものが続いていましたが、『正体』は久し振りに素晴らしかったです。
藤井監督らしい人間味のある描写が特長です。
尺のわりにキーパーソンが多いので、ひとりひとりのエピソードが駆け足気味で、スピーディーに物事が進みすぎる感は若干気になりました。
総合的にはとても見応えがあり、人の優しさに涙が出てきました。
大きな力にも個人で立ち向かうしかない現代の日本の問題が描かれており、やるせない気持ちになりました。
脚本が素晴らしいので、大袈裟な音楽や効果音でセンセーショナルにあおる必要はなかったように思います。
水産会社でカメラをぐるりと回す間に映像で説明をするシーンは秀逸です。
『青の帰り道』から注目していましたが、横浜流星さんの代表作になったと思います。
たくさんの人に観ていただきたい作品です。
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