今年の雨の降り方は、異常の連続である。局所的で記録的な豪雨いわゆるゲリラ豪雨が全国を襲った。そんな中で「山形県は恵まれたな」と思っていたが、9月14日の夜半に酒田市北俣方面に発生したゲリラ豪雨は、消防団が警戒出動するほどであった。十二の滝の遊歩道も崩落し通行止めが続いている。
「まず現場をみてくれ」の電話があり、地元市議会議員と山谷公会堂に向かった。自治会のみなさんが10人程集まってくれていた。四輪駆動の軽自動車で山間地の奥深くまで、くまなく回った。水路がいたるところで土砂に埋まり、小型重機で復旧作業をしていた。「もう嫌にになった。田んぼを止めようかと思うが、この水路を直さないと、下の6町歩が作れなくなるんだ」と打ち明けてくれた。手作業で水路の復旧を終えた個所もたくさんある。沢の鉄砲水が山の一軒家を襲っていた。そこの主婦は「怖くて一睡もできなかった。消防団が来て避難しろと言われたが、出口が滝の様になっていて出れなかった」家の前が崩落し、青いシートで覆われて痛々しさが残っている。今回の豪雨災害の特徴は、小規模な災害の多発である。大災害はマスコミも取り上げて、関心が集中し復旧に弾みがつく。小規模な災害は見過ごされ易く、それに個所数が多く対策が取りにくい現実がある。しかし、小さな水路一本でも山間地では、不可欠のインフラなのだ。天気の良い時の山間地は住み着きたくなる魅力がある。しかし、天候のリスクが拡大して現れる厳しさを併せ持つ。自力で出来ることは黙々とやっている。しかし、行政の助けも待っている。