もっとも親日的である隣国、台湾(中華民国)は羽田から3時間、沖縄から1時間の位置にある。震災見舞い金も官民合わせて200億円を超えて、世界トップクラスであると言われている。経済交流は、IT基盤産業を中心に日本に不可欠の存在であり、とりわけ日本との関係は深い。観光も治安の良好な両国は重要な関係にある。
遅ればせながら山形県も動き出した。震災の影響で台湾からの観光客は昨年約2万3千人と半減以下に落ち込み、チャーター便も26便から5便へ落ち込んだ。昨年早速訪台した知事は、トップセールスを展開。冬季チャーター便7便と、10年振りに夏季チャーター便の実績を上げる事が出来た。
台湾事情を知るために自民党県議団有志は、羽田空港から台北松山空港を経由して台湾に入った。
翌日、台湾新幹線で台中に向かった。台北と高雄を結ぶ高速鉄道の車両は700系新幹線を基にした日本製で、最も大切な安全確保のシステム(ATC)も日本製である。車内も外装も日本と同じであり、時速300キロで走る。台中まで50分、あっという間だった。
台中にあるハッピー工業(幸福縫衣機公司)は、台湾に進出して35年になる。日本人2人、95人の従業員で家庭用ミシンの製造、輸出をグローバルに展開している。NHKの朝ドラ「カーネーション」効果で出荷が増えたと言う。山形県向けには刺しゅう機、食品機器の部品調達等がある。
台湾には輸出加工区、いわゆる特区制度があり、製品の海外輸出は免税の指定区域が7カ所指定されていて、台中加工区には日系の大企業を含めた6社を合わせて33社が進出して、1万人以上の雇用が生まれている。先を見据えた特区制度が、いかに大切かが分かる。
中華民国立法院や観光、山形農産物の様子は次回にする。