石狩湾新港は、昭和48年に重要港湾に指定され、日本海側の掘り込み型で造られた新しい港である。小樽港との競合が心配されたが昭和57年にサハリンからの木材船が第一船の入港となった。
昭和26年に重要港湾の指定を受けて、47年に第一船が入港した酒田港。、両港とも10年前にリサイクルポートの指定を受けるなど似た環境にはある。経済の拠点は太平洋側に移り、日本海航路の整理縮小で港湾荷役が伸び悩み、新たな取り組みが求められていた。
ところが、石狩湾新港は人口200万の札幌市と15キロの位置にあり、取扱貨物量は403万トンで酒田港と同程度なのだが、コンテナ貨物量は急激な伸び方で、昨年は4万(TEU)個を超えている。酒田港の6倍である。平成13年にコンテナクレーンが設置され、リーファーコンセントが90口、定温機能付くん蒸庫四庫、定温庫2庫で冷凍冷蔵貨物や青果物の受け入れ体制は万全である。
それに、北海道ガス株式会社が「石狩LNG基地」を建設、海外からのLNGを輸入し稼働している。さらに、LNGを利用した火力発電所の建設も始まっている。
平成23年に、酒田港と同じ日本海側拠点港に指定され、先発の酒田港は遅れが目立つ。サハリンもロシアも中国も韓国も同位置にある。日本海の荒れ具合も同じだ。背後の県民意識の違い以外は考えられない。リダンダンシーをコンセプトに新たな発想で、長期的な「酒田港振興プロジェクト」を官民一体で具現化を急がねばならない。