「NPO法人ひらた里山の会」が主催した「里山資源を活かした地域づくりin庄内」に行ってみた。行政関係者のみならず、関心のある市民150名ほどが参加していた。若い人も里山への関心は高まっていると感じたのが第一印象である。
最上町町長 高橋重美氏の「木質バイオマスが地域産業を興す」の講演は、森林を中心にした地域おこしの実践例は興味深かく、「最上町に住みたい」の声が出るほどだった。
最上町の84%を占める森林面積は、多くが造林されたもので、近年まで特別な想いもなかったが、3・11の大災害の発生後、森林への見方が変わった。管理者の高齢化は、森林の荒廃を生み整備は急務の課題と考え、育ちの悪い木を伐採し質の良い木が育つ健康な森林の再生に舵を切った。
高性能林業機械を導入し、一伐三残間の列状間伐により、選林と収集の効率化で魅力的になった林業は、若者の就業につながる。間伐材は木質バイオマスチップに変換され、チップボイラーのエネルギーとして、給湯、暖房、融雪へ利活用される。その結果、子供たちの環境問題への関心を高め、保育所や福祉施設の冷暖房をまかない、チップボイラーを中心にした集合住宅の建設も考えている。
視察者も増えているが、午後に案内して泊まって頂くように仕掛けてある。これは、役場内の連携で、特産物やふるさと納税とも結びつき、ふるさと納税は2億円を超えた。地域に自信と誇りを持ち、大学との連携を大切にする事が基本である。
今、NHKで「限界集落株式会社」が放映されている。その中のセリフに「ムラがなくなったら、何も出来なくなる」が心に残る。