北海道新聞が2月24日付け「食の大地」の約1ページを使って、「メジカ漁獲増へタッグ」と題して特集を組んだ。オホーツク漁業関係者と山形県桝川鮭漁業組合とタッグを組んで、鮭の回帰率を上げ漁獲量を増やそうとする壮大な計画である。
そもそも鮭は日本海側の川で産卵、ふ化し数年かけてベーリング海などを回遊し、産卵のために母川に回帰して一生を終える、途方もない壮大な旅をする魚である。母川に戻れず、オホーツク沿岸の網に迷い込んだ鮭が「メジカ」と呼ばれ、シロザケの4~5倍の高値で取引されている。日本海側の乱獲や、ふ化放流事業の衰退で年5万匹あったメジカの漁獲量は1万匹まで最近は落ちていると言われている。
日本海側の鮭の回帰率は1~2%と言われている。、オホーツク漁業関係者のノウハウは多岐にわたるが、新たなふ化場の建て替えも加えたソフトの伝授で、回帰率が10%程度にアップする可能性があると見込まれている。このことは、メジカばかりではなく本州日本海側に戻ってくる鮭が大幅に増える事が期待される。
北見管内さけ・ます増殖事業協会(網走市)宗谷さけ・ます増殖事業協会(枝幸町)は技術関係者を何度も遊佐町に派遣し、連携して鮭ます漁業の復活に期待をかけている。
桝川鮭漁業生産組合長の尾形さんは「オホーツクの関係者のアドバイスはお金に変えられない貴重なもの。メジカを増やして恩返しするしかない」と感謝している。そのノウハウを今度は尾形さんから山形県全域に広げて欲しいと願っている。