山形新聞の「検証・吉村県政2期目」のインタビュー記事で「県土の70%以上を占める森が荒れており、放っておくと、木が病気になったり、枯れてしまったり、ちょっとの雨で土砂崩れが起きたり、災害にまでつながってしまう」と述べ、森林資源を地域活性化につなげる「森林(もり)ノミクス」の成果を上げたいとしている。
もともと私たちの生活は森林との共存だった。薪や枝打ちをした芝は、煮炊きや暖房エネルギーの根源であったし、木造建築の用材としての銘木はその美を競い合い、数多い伝統建築物として今に残されている。豊富な森林資源が私たちの生活を潤してきた。
しかし、石油がエネルギーの中心となり、電気、ガスの利便性は私たちの生活様式を一変させた。戦後の住宅建設ラッシュで木材需要のピークを迎える昭和39年、木材の輸入が全面自由化となった。急激に外材供給量が増加し、5年後には国産材を外材が上回っている。安い外材は国産材の供給量を減らし、平成12年の木材自給率が18.2%となり戦後最低となる。森林の荒廃に危機を感じた政府と地方自治体は、木造建築への誘導策や、県産材使用を補助するなどで平成20年には24%までに回復した。森林資源の活用は国の形に関わる大きな課題である。
そんな中「認定NPO法人ひらた里山の会」が「里山資源を活かした地域づくりin庄内」と題して里地里山フォーラムを開催した。子供たちも巻き込んで里山の大切さや、里山の美しさを伝えようとして活動を続けている。荒れた竹林の伐採や利活用にも取り組み、山の景観を取り戻そうと呼び掛けている。小さな一歩が大きなうねりとなって受け継がれて欲しいと願う。