とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

機構集積協力金が年度内に交付

2016年02月27日 | 日記

 農業の競争力を強化し、持続可能なものとするため都道府県段階の農地中間管理機構は、担い手が利用する面積が、今後10年間で全農地の8割とするため、農地中間管理機構に、まとまった農地の貸付を行なう地域。農地の集積、集約化に協力する農地の出し手に協力金を支払う手続きが始まった。
 10aあたり2万円が交付され、山形県で20億円近い交付金が年度末までに支払われる。TPP対策としての農業強化策とも見えるが、一時の交付金で、農業構造が変わるとはとても思えない。桁違いの耕作面積を持つ農産国との競争である。国内農業を守るには高度な水際作戦が必要だ。
 昨年の農林水産物・食品の輸出額が、前年比で21.8%増え、7千400億円となり、オリンピックまでは1兆円に乗せたいと、政府は試算している。しかし、この統計には、たばこ、アルコール飲料や、円安効果も含まれている。それに、輸出される多くの加工食品の原料は、輸入品であり、国内農業とは無関係にある。輸出向けの高級ブランドの農産物を維持するには、手間がかかり、少しでも傷があればダメで、物流コストも含めて利益率は低い。
 せっかく築き上げたリンゴ、和牛のブランドも中国産やオーストラリア産の価格競争に引き込まれてしまう可能性もある。政府は「おいしく安全な農産物は世界に売り込むチャンス」と喧伝するが、もっと冷静な分析が必要だ。見掛けの数字と、一回の交付金に踊らされず、持続可能な農業をしっかり見つめる必要がある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする