28年度予算を審議した3月議会は終わった。国の「ふるさと創生」や「TPP対策」などを反映し「ソフトで水膨れした予算」の印象が残る。県のみならず市町村予算も同じ傾向で、予算規模は膨らんでいる。人口減少社会の中、地域おこしの工夫で元気を取り戻す対策を考える予算でもある。
考える予算は、結果が出なければ何も残らない支出になる。国やマスコミは希少な成功例をあげ「やれば出来る」はずだと喧伝をする。その通りなのだが、ストンと落ちないものがある。ソフトは大事だが所詮ソフトである。そんな程度で「ふるさと創生」が出来るのであれば、こんな格差は生まれていない。
「日本列島改造論」は昭和47年に田中角栄が総裁選に臨むときに発表した政策である。工業の再配置と交通・情報通信の全国ネットワークの形成を図り、人・モノ・カネの流れを巨大都市から地方に逆流させる「地方分散」を唱えた。まさにハードで格差を是正しようとした政策である。残念ながら「金権政治」の批判を浴びて、田中政治は終焉を迎える事になる。
その金権政治批判、打倒田中の急先鋒だった石原慎太郎氏が田中角栄に成り代わって書いた「天才」を出版した。日中国交正常化や関越自動車道、上越新幹線を整備した力量を「天才」と称しているのか、人間性を指しているかは定かでないが、田中角栄のダイナミズムに共感し、欲して書いたように見える。
、田中角栄はもう出て来ないのだろうか。今度は我々の番だと待っていたのだが。