酒田港に外航クルーズ船誘致を狙った本格的なシンポジュームが山形県と酒田市の共催で21日に酒田市を会場に開催された。そもそも酒田港に10万トンクラスの客船が入港できるとの発想はなかった。日本の港でも外航クルーズ船が寄港可能な港は二十数港程度と見られている。クルーズ船による外国人入国者数は倍増しており、2020年に100万人の目標は、2015年に111万人となり、5年も前倒しで達成している。
外航クルーズ人口はアジアで急増しており、西日本を中心に寄港オファーが多く、さばき切れなくなった状態が生まれている。特に沖縄、博多、長崎、横浜は100回を超えているが、対応が遅れている東北は、青森港が13回、秋田港が5回の計18回に留まっている。
酒田港への外航クルーズ船誘致に向けた取り組みの発端は、昨年国交省酒田港湾事務所に赴任した上原所長の仕掛けに始まる。国、県、酒田市を巻き込んだ勉強会を立ち上げ、密かに戦略を練っていた。そこに、昨年の9月議会予算特別委員会で私が取り上げた事から一気に表面化し、大きな流れとなった。今年度予算にクルーズ船着岸に必要な整備費用が盛り込まれ、航行安全委員会や漁業関係者との調整を済ませて準備が整う。後は県民挙げての誘致運動で実現させたいものである。
思えば、今は亡き相馬大作さんがこれからの港は「水深14mは欲しい」とこだわっていた事を思い出す。これが外航クルーズ船の誘致が出来る原点である。