山形県は10年前の東日本大震災で、米沢、鶴岡の一部を除き県内全域で大規模な停電が発生した。これを教訓に「山形県エネルギー戦略」が策定され、再生可能エネルギーを活用した更なる県内発電量の増大に舵を切った。
国の政策と整合性を取りながら、自治体による先導的事業として風力発電や太陽光発電、小水力発電設備の導入などを積極的な事業展開で、最終目標100万キロワットを目指す事とした。
国が定めた再生可能エネルギーの買取単価が、高く設定されたことにより民間での太陽光発電や大規模バイオマス発電、風力発電などが急速に進み始めた。
先導的役割を担うとして、山形県と酒田市が進めてきた大型風力発電計画は、手続きや環境保護団体との合意に手間取り数年の空白が生まれた。しかし、ようやく4月1日に県と市初の直営となる風力発電6基が稼働を始めた。
東北日本海沿岸は風力発電の最適地とされている。陸上より大型発電が可能な洋上風力も計画されている。また環境保護団体との合意形成で遅れる可能性を心配している。
近代社会に不可欠な電力を再生可能エネルギーに転換する知恵が試されている。先取りを期待したい。