このところの物価上昇が日常生活に暗い影を落とし始めている。輸入品に頼り切った日用雑貨の値上がりが目につくが、全ての品薄感や値上り感が異常である。生活は根底からの仕切り直しが必要となった。
その主因は、莫大な穀物と資源エネルギー供給国であるロシアがウクライに侵攻した戦争にある。世界はロシアをルール違反とし、西側諸国は経済制裁のペナルティを課しているが、戦争は100日を超え、終戦の気配すら見えない。今、世界の物流は大きな転換点を迎え日本の在り方も問われている。
日本は大幅な円安状態が続いている。アベノミクスで始まった日銀の大規模金融緩和政策は9年にも及び、デフレ脱却のため「2年間で消費者物価上昇率を年率2%に引き上げ、通貨供給量を2倍に増やす」としたが、通貨供給量だけが約束通り増えたがデフレ脱出は出来ていない。
金融緩和は長期金利をマイナスまで下げ、金融機関への圧迫となった。コロナもあり国債発行は増加を続け財政赤字は膨らみ続けている。経済を立て直す金融面での打つ手はもう無くなった閉塞感がある。日本経済の弱体化を反映し、かつてない円安が輸入品価格を更に押し上げている。
財政規律は国の根幹に関わる。