ロケ地が全て庄内であると評判の映画「アイアムまきもと」の鑑賞に出かけた。金曜日の午後というのに三川イオンシネマは6~7割の鑑賞客で人気の高さに気づかされた。「おくりびと」がベースになったのかは分からないが、人生最後の終焉にどう関わるのか、誰にも訪れる永遠のテーマでもある。
映画は田植え直後にロケされたようで、田んぼに水が張り、ちょと緑になった庄内平野が随所に映し出された。広大な碁盤の目に区画整理された幾何学模様の水田風景は庄内で一番美しい時期でもある。
主人公の牧本壮(阿部サダオ)は仮設の市、庄内市の市職員の設定である。そこで、人知れず亡くなった人を埋葬する「お見送り係」だった。孤独死された人を思うあまり、遺骨を自分のデスクにため込み、周囲とトラブルが絶えず役所の中でも浮いた存在だった。
そんなある日「お見送り係」が廃止される決定となる。最後の仕事となった孤独死した蕪木孝一朗(宇崎竜童)の葬儀に故人の身よりを探すために友人や知人を訪ね歩き、蕪木の娘・津森塔子(満島ひかり)にたどり着いた。ほっとして葬儀にたどり着くが、本人牧本は市役所の前の歩道で交通事故で死んでしまう。
修証義に「生死は仏法最大の因縁なり」と諭している。生まれたからには死ぬ運命を背負って生きている。