庄内最北で日本海に突き出た鳥海山がある。東北の最高峰、その麓の遊佐町は豊富な伏流水で溢れている。伏流水は日本海へも注いでおり、そこで獲れるミネラル多い夏牡蠣は名物である。
鳥海山に降った雨は50年もかけて山中をさまよい、麓に湧き水として出てくると言われている。この水で作られた「遊佐米」の評価は高く生協などと契約栽培がされている。鳥海山麓に無数の湧き水があり、それがまとまって「バイカモ」の花で有名な「牛渡川」の様になる。そして集まって、月光川となり日本海へと注ぐ。ここにサケが産卵で遡上してくる。そこに江戸時代からの人工孵化事業が生まれた。
サケは帰巣本能で生まれた川に戻ってくる習性がある。先人から受け継がれた事業はさらに近代化され順調そうに見えたが、ここ何年かサケが減っている。太平洋側が全くダメで人工ふ化する卵が獲れない。遊佐町の桝川孵化場から卵を融通して何とかしのいだそうだ。今年の猛暑は作物の生育に大きな打撃を与え連日のニュースである。
サケが心配だったので、遊佐町桝川孵化場に行ってみた。 「今年は遡上時期が遅い。それに数えられる程しか上って来ない。最盛期はもう少し後なのだが・・・・」と不安な顔である。
海水温も高い地球沸騰で地球全てが狂いだしている。