JR東日本は利用者の少ない赤字路線を公表した。以前に一部は公表していたが、今回は赤字路線全てで、全国JRグループ各社の公表と合わせた遠慮なしのものである。コロナ禍による影響も考慮されるが、地方切り捨てが匂ってくる。
それによれば、羽越本線「村上ー鶴岡」間49億4600万円が赤字額の最高である。東北日本海側を縦貫する骨格路線であり、JR貨物路線でもある。平成17年12月25日最上川鉄橋のすぐ南付近で、突風による新潟行特急「いなほ」の脱線事故は乗客5名の死亡事故となった。以来JR東日本は風速25メートル以上で運休、20メートルで徐行運転と決めた。運休と遅延の多発で信頼性を失い鉄道は敬遠され飛行機に移った。
2022年8月の豪雨で、羽越線と米沢を結ぶ米坂線の橋梁が流され不通となった。1年経った今も復旧工事にJR は難色を示し見通しが経っていない。羽越線と新庄を結ぶ陸羽西線は高速道路と交差するトンネル工事のためとして突然に2年間の運休が告げられ現在運休中である。
JR東日本に改善の努力は見えない。駅舎の合理化は見えるが肝心の定時に安全に便利に運ぼうとする努力が見えない。自治体を巻き込みたい気持ちだけが伝わってくる。過密と過疎が更に進む気配である。原点に戻って、公共事業であってほしいと願っている。