地域医療

公立病院の責務とは　
　秋田市は、「市立秋田総合病院の経営形態検討報告書（素案）」を発表し、「地方独立行政法人」移行への方向を示しました。各地で公立病院の独法化が進む中、地域医療の中核として安心安全な医療の提供が求められていますが、独法化移行でその責務が果たせるのか慎重な検討が必要と考えます。
　秋田市は、独法化移行への理由として、主には●職員定数条例に縛られず柔軟に対応できること　●効率性が図られること　●労働市場に応じた柔軟な給与体系の構築　●予算単年度主義から弾力的な運営等々、何点か上げています。
　そして、「将来にわたり良質で安全な医療を提供できるか」「これまで通り不採算医療、高度医療等の確実な提供が担保される経営体であることを選定の第一条件」を、経営形態を検討する視点として上げています。
　しかし、経営の「効率性」「採算性」「成果主義」「能力主義」を追及することになれば、求められている医療を継続発展させることができるのか。患者への負担や医療従事者への負担への懸念はないのかも慎重に見なければなりません。しかも、「素案」からは、患者や医療従事者からの声が見えてきません。
　9月定例議会には独法化移行の問題が諮られる予定です。市民に知らせ、声を聞く活動を進めなければと考えています。