この方について僕が知っていたこと。
1. 盲目でありながら超絶のギタープレイ。
2. ギターネックをピアノのように上から押さえるスタイル。
この程度でした。
ご縁あってこの方の曲のコーラスアレンジを担当、本番ライブを観させていただきました。
聞くところによるとこの方は弱視で育ち、中学生になったばかりの頃朝目覚めた瞬間世界が真っ暗。
視力が完全に奪われてしまったとの事。
ロックギターを始めたばかりでちゃんと弾いている人を「目にする」ことのないまま盲目に。
それでも諦めずギターを弾き続け、現在に至ったそうです。
小さな頃習っていたピアノを弾く感じに、ギターのネックを握るスタイルで、上から弦を押さえる
奏法を確立。パフォーマンスで、ちょこっとやってる人は見たことあるけれどそのスタイルで
通してる人を見たのは、田川さんが始めてでした。
ステージを観させていただき何が凄いって、盲目な事を一切感じさせないスーパーギタープレイ、
音はすべてジャストミート!まるでギターが身体の一部として機能しているかのよう。
盲目でありながらこの技術を身につけるのには、想像を絶する努力と、絶対諦めないって
強い気力があったに違いありません。
そして驚く事に、この方の口から出てくる言葉は、「感謝」と「喜び」ばかり、
「マイナス」なワードが無いんです。
だからサポートするメンバーやスタッフが、心地よくいられる。
「人は口からプラスもマイナスも出して“吐く”って書くけど、
マイナスを取るとね、“叶う”に変わるんだ!」
まさにこれを、自然体でされているような印象を受けました。
そしてその人間性が現れているかのごとく、奏でるメロディアスなフレーズはまさに「歌」。
本当に素晴らしいギタリストです。
頑張ってるものを持ってる人は、誰しも頭を打つ瞬間あるよね。頑張れば頑張るほど、
自分の不器用さに腹が立ったりね。このままやっていても…、あの人に比べて自分なんて…。
仕事で歌ってる僕でさえ、そんな心情のときありますよ~。
現状をKEEPして無難にこなしていっても別にいいよな。諦めて次に選んだものを大事にする
選択肢もあるんだろうけど、でも、やっぱこれをやり続けたい!突き詰めたい!!
そんな想いを持ってらっしゃる方は、是非いちど「田川ヒロアキ」のライブをご覧になって
みてください。ギターの事よく解んなくても大丈夫、その音を聴き姿を見ているだけで
僕の言ってる事、お解りいただけると思います。
しょうもないことで悶々としていた自分が、アホらしくなるほど完膚なきまでにスッキリ
させてくれます。「ほんまに手に入れたきゃ、そうなるまで頑張らんかいどアホ!」
って自分に言い聞かせたくなります。
ステージにも感動しましたが、自分のあり方について最高の答えをいただいた気持ちになり、
本当に素敵な時間でした。
さ、感謝と喜びを口にして、マイナスを言わず思い描いたビジョンに向かって精進するだけです。
ありがとう。