(新宿心音会@名古屋ミュージックファーム 2007.4.7 sat)
『新宿心音会 板谷祐』が、とうとう名古屋初遠征。旧知の友人えばかんに連れられて(?!)、名古屋の名門ライブハウス、ミュージックファームに登場した。ミュージックファームは、かつては名古屋V系の本拠地でもあり、あの黒夢やSILVER ROSEや雫...など、多くのV系バンドが活躍した場所でもある。
僕自身、名古屋ミュージックファームは初めて。名古屋駅から地下鉄東山線に乗って、終着駅「藤が丘」に行く。だいたい名古屋駅から30分程度。そこから、さらに歩いてライブハウスへ向かう。おおよそ10分くらい歩く。都内のライブハウスとは明らかに場所の雰囲気が違う。なんと、普通の民家の一角にあるのだ。名門ファームは、信じられないほどのどかな場所にあるライブハウスだった。
この日はあいにくの雨。雨の中、ライブハウスに着くと、数人のファンの方が待っていた。僕もそこに混ざって待っていたら、なんと、祐師匠が店内から出てきた。これを逃す手はない!と奮起し、祐に声をかけた。前々から、ブログでの写真掲載の許可願いをしようと思っていたので、そのことを伝えると、たいへん嬉しいことに、「いいよ!」の二つ返事。しかも、「よろしくな!」と言っていただけた。約18年、祐を追っかけ続けて、とうとう初めてお話してしまった。そして、「ミュージックファームのHPに掲載されている写真も僕が撮ったやつなんです」、と告白すると、「へぇ~」と言って、そのまま階段を昇って二階に行ってしまった。僕が祐の背中を眺めていたら、突然くるっと僕のほうを振り返り、「あ~、でも、俺、それ、見てね~けどよ~!」、と(僕に向かって)話しかけてくれたのだ。『あの祐が僕に向かって話しかけてくれている。僕だけに・・・』・・・ そんなこともあって、しばらくの間、放心状態が続いた。
さて、ライブは、というと、あいにくの天気のせいか、急の出演だったせいか、それほどギュウギュウの満員!というわけではなく、落ち着いてリラックスして聴くことができた。往来のファンと思われるヤングアダルトの大人がほとんどだったかな。愛知、三重のメロコア・パンク系の2バンドに続いて、心音会が出演。今回のライブには幕があって、見ていてわくわくするものがあった。
最初の一曲目は、定番のLC-8。かき鳴らすような歪んだギターリフが緊張感を産み出す。そして、妖しくささやくAメロ。そして、20代の祐の勢いを示すかのような心に響くサビのメロディー。「wow woh ho, wow woh ho, wow wow wo ho」って感じで歌っている。覚えやすいメロディーなので、ライブでは是非みんなでコーラスしたいところ(ラジオで祐はファンのコーラスを望んでいることを話していた)。二曲目は、LC-26。僕はまだ馴染みのない曲。ちょっとミステリアスでアダルトな感じの名曲。こういう曲、ホント、寝る前に聴きたいなあ。。三曲目は、LC-22。二曲目と連続して演奏された。こちらはLC-26よりも勢いがあって、メロディアスな曲。この二曲は、すごくつながりがよくて、心地よかった。これらの曲が終わる毎に、お客さんからの拍手と歓声が起こる。かなりノリはいいなと思った。で、MC。名古屋の人たちへのかるい自己紹介。祐の表情はいつにも増して嬉しそう。お客さんの数としては、都内よりもぐっと下がるが、ライブのテンションは都内以上だったかもしれない。そして、四曲目、「みんなが知っている曲を!」と言って、サザンの「いとしのエリー」を奏でた。祐のサザンはもう超絶品。原曲をそのまま演奏するってわけじゃなく、祐ならではのアレンジが施されている。彼の音楽性の豊かさが垣間見れた気がした。そしてまたMC。ミュージックファームの話をしてくれた。「俺は十代の頃、このライブハウスで演奏したことがある。このライブハウスができたころかな。今日は、当時の自分に(今の自分を)見せつけてやりたい」、と語っていた。続く五曲目は、LC-1。僕は思わず溜息をついた。ホント、いい曲だ。もうLC一桁台だったら、コーラスできちゃう。気付いたら僕も一緒に歌ってた。六曲目は、LC-5。サビの“Di La La~”が印象的な曲。心音会を代表する曲の一つと言っていいだろう。七曲目は、LC-4。僕の中では「おやすみの曲」。あるいは、「目覚めの曲」。心音会の曲の中でも最もポップセンスの光る曲。お客さんもみんなじっくり聞き入っていた。“feel down”ってところは、極上のひと時。そして、LC-20。都内のファンにはおなじみ、「埃まみれの花のように 愛着深く~」っていう歌詞の歌だ。この曲、Aメロ、Bメロにもちょろっと歌詞が出来ていた。「リアリティー(実在)」の不在の悲しみ・憂いを歌っていた。だが、彼が求めているのは、リアリティーではなく、アクチュアリティーなのだ。自分には周りのものすべてがリアルに感じない。でも、自分の傍で誇りまみれになって静かに咲く花は自分にとってかけがえなく、何よりも尊く見える、そんなイメージの曲になっている。ここでは、彼の歌のコンセプトでもある「否定の否定」が見事に昇華されている。そして、エンディングとなるtoo...を演奏し、最後の最後にカッツェの名曲「Small Island」を熱唱。この曲を聴いたら、目の前がぱぁ~と開かれる感じがした。
こんな感じで、初の名古屋遠征ライブは幕を下ろした。動員数云々抜きに、熱くて盛り上がったライブだったと思う。続けて、ジョリーさんのライブ。かつてよりもラウドでヘビーなサウンドにびっくり。また、ジョリーのかつての名曲も惜しみなく演奏してくれた。最後のPromissを聴いた時、思わず胸が熱くなった。
ライブの後、生まれて初めての『出待ち』をしてしまった。が、最終電車ギリギリの時間になっても、祐は現れず。残念ながら、最後に「お疲れ様でした!ありがとうございました!」と言うことはできなかった。けれど、一生の思い出になるほど、素敵な時間を過ごすことができた。ちょっと名古屋遠征は、金銭的にも体力的にもしんどかったが、やってよかった。また、色々と貴重な体験をさせていただいたNさんとKさん、本当にありがとうございました!!(この日のことは一生忘れないと思います)
*祐の歌のタイトルは、LC~と表記されているのだが、これ、Lyric(歌詞)の略ではないだろうか。リリック2、とか、リリック24とか、そういう風に呼んでいいのかな?と思いました。いかがでしょう?!