千葉駅周辺のラーメン界に静かなる革命を起こした「粋や」が、明日29日(金)をもって閉店となります。
理由等は知りませんが、事実として、6月29日で、閉店となります。
店内にも、おそらく店主さんの手書きと思われる文章が掲示されていました。
2010年に開業し、2年間、突っ走ってきましたね。上に「静かなる革命」と書きましたが、この粋やが登場するまで、千葉駅~千葉中央駅界隈は「なりたけ」、「一風堂」という二大巨頭が圧倒的な力をもっていて、いわゆるフリーク向けの実力店がほとんどない状態でした。不毛地帯とも言われていました。が、この粋やの登場を境に、実力や話題性のあるお店が次々に生まれていき、未だ「激戦区」とは呼べないまでも、かなりラーメンそのものの質的向上、そして、選択肢の多様化が起こったと思います。この2年間の新店ラッシュは目覚ましいものがありました。
ですが、残念ながら、粋やは閉店となります。
多分、僕はこの日が最後の訪問となるので、基本のラーメンを食べようと思っていましたが、最後ということで、ラーメンフリークの人に大絶賛だったカレーつけ麺も提供する、という話を聞き、こちらを注文することにしました。750円です。
出てきたつけ麺は、ドロドロっとしたカレースープに、自家製麺がたっぷりというものでした。
スープはマイルドで万人受けするカレーに、大量の煮干し粉が入っているようです。煮干しの味が半端ないですね。煮干しカレーつけ麺になっていました。こりゃ、たしかに、マニアックに旨い。それでいて、カレーですからね。バランスもよく、麺のからみも強烈です。
目が覚めるつけ麺でした。これを、一般のお客さんがどう感じるのか。わかりませんが、マニア的にはまさに「ストライク」ですよね。強烈な煮干し、そして、甘みのあるとろとろカレー。これが一体となっているのですから、たまりません。
ただ、最近、カレーラーメンを結構食べ歩いている僕としては、ちょっと何かが足りないような気がしましたね。何なんだろう。煮干しを加えるというのはユニークなんですが、味的に、それほどぶっとんでないというか。辛さが足りないせいかな。どこか、ちょっとどこを向いているつけ麺なのかが分かりにくかった気がします。ま、ラーメンフリークの戯言程度に。。。
でも、圧倒的な存在感はありました。過激なつけ麺ではありますからね。
クリーミーでマイルドでまろまろっとしたカレーつけスープ。そこに、キラキラと光る煮干し粉。
意外と、ありそうでないタイプのつけ麺ですよね。
今日が28日の木曜日。
いよいよ明日がFINALです。最後の日には、何やら超濃厚のちきちきぼーんが提供されるんだとか?!?
ちきちきぼーんもまた、千葉ラーメンフリーク&マニアさんたちに大絶賛でした。これが食べられるのも明日まで!!
急げ!!
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最後に一言。
どういう理由で閉店となったのかは分かりませんし、聞くこともしません。ただ、「未完成」のまま、閉店となった印象はもちます。店主さんはまだお若いですし、上の文面を見る限り、またどこかで「復活」することでしょう。力のある店主さんですからね。幸い、店主さんはラーメン界には留まるそうですし、第二の開業を目指して、頑張ってもらいたいです。
ラーメンに限る話ではないですが、始めるのも、辞めるのも、実は簡単なんです。続けることが一番難しいんです。続けられるために何が必要なのか。続けていけるラーメン店はどういうラーメン店なのか。そして、いわゆる「名店」とはどういうお店なのか。そういう視点から、今後もいろいろと考え、末永く愛されるラーメン店づくりを目指してほしいと願います。
事実、粋やの閉店を惜しむ声はたくさんあります。そういう意味では、愛されていたんだと思います。ただ、やはりまだ「未完」だよなぁ、というのが僕の印象です。僕は、回数こそ少ないですが、事あるごとにこちらのラーメンを食べてきました。毎度思ったのは、「粋やの粋やらしさって何なんだろう?」ということでした。どれも美味しいラーメンではありました。が、そこに、粋やならではの何かをどこかで求めていました。
それはさておき、今ある形での粋やはなくなってしまいますが、きっと何らかの形で、また僕らに美味しいラーメンを提供してくれるでしょうし、いずれは「復活」もあり得るでしょう。その時に、是非、店主さんらしさが炸裂するラーメンを頂けることを、僕は祈念しています。