Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

新進亭@作草部 30年前から続く「つけめん」とは?!


こちらのつけ麺は、いわゆる「ざるラーメン」ですね。

偶然立ち寄って、すっかり魅了されてしまった昭和レトロな中華そば屋さん。

前回の記事はこちら!

なんてったって、今のご時勢で、ラーメン一杯たったの350円ですぞ! しかも、味的にはハイクオリティー。。。創業以来値段設定を変えていないっていうんだから、開いた口がふさがらない。店主は結構高齢の方で、キャリア十分って感じがする。今トレンディーなラーメン屋店主さんもいずれは高齢になり、おじいちゃんのラーメン屋さんになるんだろうな。その時に今作っているラーメンってどんな風に感じるんだろう? 超濃厚魚介豚骨ラーメンを出すおじいちゃんのラーメン屋さんって、今後存在するのだろうか。楽しみだ。

先回、こちらにうかがったとき、メニューをみてとても気になったのが、「つけめん」(400円)。メニュー表も37年ほど前に作ったっていうのだから、単純につけめんもずっと昔からあるんだろう。(おばちゃんの話だと30年くらい前だとか・・・) 

いずれにしても、千葉の作草部(あるいは天台)という地で、30年前からつけ麺を提供していたという事実は間違いなさそうだ。30年前といえば、現在ほどつけ麺の存在は明るみに出されてはおらず、一部のお店で提供されていたに留まっていたはず *ちなみに、大勝軒に「特製もりそば」がメニューとして加わったのは、1955年(昭和30年)。山岸さん曰く、「もちろん『特製もりそば』は、人気メニューとなり、中野『大勝軒』はいっそう繁盛していったのである」(「これが俺の味」、p.34)。たしかにつけ麺という食べ物はあったと思う。だけど、現在のようにどこででも食べられるメニューではなかったと思われる・・・

だからこそ、すごく興味をもったのだ。こういう昭和レトロなラーメン屋さんのつけ麺っていったい?!

出てきたつけ麺は、(ある意味予想通り)「ざるラーメン」だった。真っ黒い冷たいスープに、冷たい麺。いわゆるざるそばのラーメン版みたいなやつだ。薬味として、ネギと生姜のすりおろし。

麺は細くて、結構つるつる感があるタイプ。やはり麺は悪くない!量的には控えめかな。今のつけ麺ってかるく300グラムとかあるけど、それのほうが異例なわけで、ここの麺はいたって普通の分量(200グラム程度?!) スープは、見た目的にはざるそばのつゆと一緒だが、味的には見事にラーメンつゆになっていた。まず、このスープ、甘みが強い。みりんを加えているので、醤油とみりんの味が際立った野生的なつけスープになっていた。また、ラーメンらしく、香味油を加えているので、やはりパンチがあるというか、がつっとくる仕上がりになっていた。また、薬味のネギと生姜を入れることで、キレのあるスープに変わる。

いやはや、またまたサプライズのつけ麺だった。なんてことないざるラーメンなんだけど、やはり雑味がなく、まさにいぶし銀の味!と叫びたくなる絶妙なつけ麺だった。

ただ、正直なところ、巷のおいしいつけ麺を日々食べている僕としては、若干物足りなさも感じたことも確かだ。

けれど、やっぱり・・・ 30年前から続けているという新進亭のつけめんにはただただ頭を下げるしかなかった。無論、みりんの甘みの効いた和風ざるラーメンはおいしかった。あっという間になくなった。麺はホント素晴らしい。これで400円なら、誰も文句は言うまい。いや、文句を言うことは許されない。なぜなら、こちらのつけ麺こそが「そもそもの味」であり、こういうつけ麺が徐々に姿を変え、味を変え、ゆっくりと進化して、今のつけ麺があるからだ。

現在の超激しいラーメン戦争とは全く無縁の静かな町の中華そば屋さん。こういうラーメン屋さんで、静かに昭和の味を楽しむのも、またやっぱりラーメン食べ歩きの醍醐味と言えるのではないだろうか。そう、歴史というのは覚えるものではなく感じるものだ。ここにくるとラーメンの歴史そのものを身体で感じることができる!

ここのお店のメニューはすごいたくさんある。ラーメンメニューは全部制覇したいと考えている。おじいちゃん、おばあちゃんの心のぬくもりが直に感じられる素敵なお店だと僕は思う。


メニューはいっぱい! 37年の重みがある。

新進亭
千葉県千葉市稲毛区作草部1丁目9-20
043-251-1076
不定休(月二度ほど休んでいるらしい)
地図やもっと詳しい情報はこちら
こちらの記事も是非!

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