Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

■殺意■Gilles de Rais■ヴィジュアル系史の古典的名盤!

先日、銀薔薇(SILVER ROSE)の「ラビリンス」をご紹介したが、その銀薔薇とほぼ同時期に超活躍していたバンドが、ジルドレイ(Gilles de Rais)だ。ジルドレイなくして、ヴィジュアル系は語れない。

ジルドレイの初作品は、「DAMNED PICTURES」(MOON DROPS)という作品で、かなりゴシックよりなサウンドであった。「妖美・華麗なゴシックサウンド」というのが当時のフレコミだった。

だが、彼らはその後エクスタシーレコードに所属を移し、92年、上の『殺意』というアルバムをリリースした。このアルバムが大ヒットし、93年にメジャーデビュー。94年には彼らの傑作「CRACK A BOY」をリリース。95年に解散。まさにヴィジュアル系誕生の一時代をかけぬけたバンドだった。

殺意は、その当時大人気だったZI:KILLのCLOSE DANCEをモチーフにしていたのは、上のジャケットからも推測できる。michiko kawataさんという方が書いている絵は、CLOSE DANSEのジャケットと系統としてかなり近い。この手のジャケットは後にも先にもこの二作品のみだ。

ジルドレイの魅力は、なんといってもJOEのダークな声と、安定感のあるたしかな演奏力にある。メンバー全員メタル出身ということもあって、当時としては破格の演奏力を誇っていた。とにかく巧かった。そして、曲が速かった。勢いがあるっていうか、パワフルっていうか。ジキルよりもパンク&ハードコアの要素が強かったかなと思う。Damned Picturesはかなりゴシック&ポジパン寄りだったけど、殺意はまさにヴィジュアル系!って感じの仕上がりになっていた。

今、この作品を聴くと、現在のヴィジュアル系バンドの曲がいかにテンポが遅いかが分かるだろう。とにかくスピーディーだ。スピーディーで激しくて、で、安定感がある。歌詞は、結構現在でも通じるようなちょっといっちゃった感じ。「迫害された頭の中 拘束されない心の底 心身分裂症の声で 裁かれる前に裁きかえす」って・・・ 「アルジャーノに花束を」の影響かしらって感じだが、今でも通じるんじゃないかな。

あと当時のアルバムは、お約束事として、1曲目が1、2分程度の短くて激しい曲!っていうのがあった。BUCK-TICKのICONOCLASM、ZI:KILLのTERO、LUNA SEAのFATEなど。本作のSUISIDEはまさに、TEROとFATEに並ぶショートタイムファーストソングの代表傑作と言えるだろう。

本作の最大の見せ場は、崩れ落ちる前に・・・~巴里祭~FOLLOW MEの三連発だろう。当時のジルドレイの勢いとセンスが圧縮されているように思う(崩れ落ちる前に・・・はBOOWYのマリオネットそっくり~!)。最後のPEOPLE OR PEOPLEのダークなベースラインは今聴いてもたまらない。ぞくっとする。

若いヴィジュアル系ファンの人には聴いてもらいたい一枚であります。

コメント一覧

kei
たくさん

はじめまして。コメントありがとうございます!!

たくさんもジキル~ジルドレイの時代の「フリーク」の方ですか??

どちらも楠木マキさんの作品だったんですね。。。(なんか、どこかでそう聞いたような気がします)

今も楠木さんは漫画家として活躍されているんでしょうか???

殺意って、今聴いても抜群にぶっとんでますよね。

Joeさんのお声がまた聴きたいところですね。

ジャケットの件、教えていただきありがとうございました!
たく
はじめまして。
懐かしい、ジャケットで思わず書き込みしちゃいました。

殺意とclose danceのジャケットのイラストは楠木マキさんですよね。
クレジット名は違うけど…少女マンガ家さんです。

私も殺意は傑作だと思いますよ。
kei
satomiさん

懐かしいですよね~ 我らがジルドレイ!

この時代のバンドはホントどのバンドもイケイケでかっこよかったですね~ SHADOOWとか!

NOBLEは、しっかり聴き込まないと何ともいえないアルバムになってますよね。未だに全曲頭に浮かばないし(汗)

KamijoさんのNew Sodomyは聞かれました?ラレーヌとはまた違うかっこよさがありました!

ypさん

そうそう! ジルドレイの方がキャリアは他のバンドより古いんですよね。だから、演奏のうまさも半端なかったですね~ CRY-MAX、きましたね~~ なつかしい。実際、ジルドレイも1stの時はかなりDEAD ENDを意識してましたよね。殺意でおかしくなった(苦笑)

さすがypさんです! メジャー1stは、なんか作らされた感がありますよね。CRACK A BOYこそ、名盤でした。(そんなに評判悪かったんですか???)

あと、最後の長渕さんみたいなシングル曲。あれはすごかった(笑) 何気に今聞いても普通に聞けるんですよね。。。

たしかビデオ付きだったような・・・
yp
おっ来ましたね!
バンド的にはZI:KILL、LUNA SEAの後に出た感があるけど、メンバーのキャリアは彼らより長いですよね。
JOEやJACKの居たCRY-MAXはジャパメタ、というか『DEAD LINE』当時のDEAD END風でした。
流行を取り入れるのがお上手なのかな(笑)

この『殺意』は僕もヴィジュアル史の名盤の1枚だと思います。
後のメジャー1stは妙にキレイにまとまりすぎてた感があるなあ。
次の『CRACK A BOY』は僕も大好きでした!
駄作、迷盤と評されることの多いこのアルバム、keiさんも傑作視していて嬉しいっす(笑)
satomi
懐かしい!!
ジルドレイとシルバーローズ、懐かしい限りです。XやLUNASEAが好きだったので、エクスタシー出身のジルドレイは注目していましたし、シルバーローズは、昔一度だけ地元で見ました。名古屋出身なので、インディーズ時代の黒夢も覚えていますよ。今は懐かしき90年代初頭・・・年齢がバレそうですが、未だに院生です、一応。

ヴェルサイユの新譜、バタバタしててなかなか開けてなかったのですが、こちらも秀作!KAMIJOもHIZAKIも、漸くおさまり所を見つけたようですね。ラレーヌの時はどうも好きになれなかったのですが、ヴォーカルの歌い方も代え、演奏力抜群のメンバーを揃えたという感がします。日本のメタル界はヴィジュアル系と呼ばれるバンドに冷たいですが、少しずつ認知は変わってるのではないでしょうか?hide memrial summitでヴェルサイユの後の出番だったマキシマムザホルモンのメンバーが、後日、日記で誉めてました。当分はNOBLEのリピートです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Visual-Kei/J-ROCK」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事