Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

聖マリーエンシュティフト病院に設置されている赤ちゃんポスト

ドイツ滞在3日目。

この日は、マグデブルクに唯一ある「赤ちゃんポスト」を訪ねに行きました。

上の写真は駅前のショッピングモールです。大きいです。

駅前からだと、路面電車<3>に乗っていきます。

こちらが、聖マリーエンシュティフト病院の最寄りの駅。

アルベルト・ファーター通り駅。

駅を降りたら、目の前がもう病院。

一番手前には、病院に併設されている老人ホームでした。ちょうどお祭りみたいなのが行われていました。

どさくさにまぎれて入ってやった(苦笑)

おじいちゃん、おばあちゃんが僕を興味深そうに見つめていました。

こちらの病院は、キリスト教会が運営する民間の病院です。ほぼ中規模の病院です。こちらの産婦人科では、毎年700人くらいの赤ちゃんが生まれているそうです。ザクセン=アンハルト州には、こちらの聖マリーエンシュティフト病院の他、ハレ、デッサウ=ロスラウ(Babynest)、ビターフェルトに赤ちゃんポストが設置されています。なお、このザクセン=アンハルト州の州都はここ、マグデブルクです。

この聖マリーエンシュティフト病院の赤ちゃんポストは、2006年に設置されたそうです。8年目ですかね。こちらの赤ちゃんポストは、なんと二人の看護師が尽力して設置されるに至ったもので、他とちょっと違う感じがします。看護師も、赤ちゃんポスト創設にかかわっていたのですね(リーダーは、ヨハネス・ブルームさんで、実際の設置を進めたのはゲルリンデ・クッペ(Dr.Gerlinde Kuppe)さんという女性の議員さん)。これは新しい情報でした。医師、教師、ソーシャルワーカー、牧師等の他、看護師まで、赤ちゃんポスト設置に動いていたとは、、、(やはり日本の「実践者(専門職)」とは根本的に違う気がします)。

*それと、やはり赤ちゃんポストというのは、議員さんの力が必要なんですね。このマグデブルクの赤ちゃんポストも、クッペさんという議員さんの力があって、できたものでした。(こういうことを可能にするためにこそ、議員さんというのは存在すると思うに至りました) また、クッペさんは博士号も取得している。議員さんはやはり学術的にもきちんとした成果をもっている人こそという気もします。ポリティックとアカデミックの関連というのも、またいずれ研究したいことかな、、、

ちなみに、この病院では、預け入れられた赤ちゃんの数を公表してないそうです(お母さんの保護のために)。ただ、ザクセン=アンハルト州全体の預け入れ数は公表されていて、2001年~2012年までの間に、53人の赤ちゃんが預け入れられています。この数は、ドイツ全体を見ても、決して少なくない数です。

病院の人曰く、「緊急下の人間を救うことは、キリスト教系の病院にとっては、特別な義務(Pflicht)」なんだそうです。また、内密出産が施行されたことについても、「それで、緊急下の女性の状況は変わると思いますか。変わりません。だから、赤ちゃんポストは続けます」、とも言っていました。

今回、聞けた話はこれくらいでした。(残念ながら、ブルームさんとは会えませんでした…涙)

***

さて。

赤ちゃんポストを目指しましょう。

とりあえず「メインエントランス」を目印に、ということで、メインエントランスを目指します。

Haupteingang=メインエントランス。

ここだ。

これが、メインエントランス。

なんと立派な建物なんだ…汗

入るのがちょっと怖かったです。

そのメインエントランスのわきに、結構目立つ感じで、こんな看板が立てられていました。

そうです。

「Babyklappe=赤ちゃんポスト」、です。

こんなに目立つところに設置されているのか、とちょっと驚きました。

これまで見てきた赤ちゃんポストの中でも一番分かりやすいかも?!(…と同時に、こんなメインな場所に設置していいのか?とも思いました)

ただ、人通りもそんなに多くはなく、赤ちゃんをここに連れてきても、誰も何も言わないかな、と。

その看板の示す方向に向かって進むと、、、

反対側から見られないように、敷居が用意されていました。

かなりシンプルな作りになっていますね。

こちらが、赤ちゃんポストです。

本当にシンプルです。

何の説明文もないですし、ただ扉(Klappe)があるだけです。

カメラも設置していません(意図はあるそうです→ターンテーブルの時代と同じ精神ゆえに)。

黄色い張り紙には、「赤ちゃんポストです。どうぞ引いてください」と書いてあります。

そして、白い張り紙には、「目的なく扉を開けないでください」と書いてあります。

今までのところ、変ないたずらはないそうです。

(その辺は、日本よりも、人々の民度が高いように思います)

内部も見せてもらいましたが、写真はできたら撮らないでほしいとのことで。。。

僕がこれまで見てきた赤ちゃんポストとほぼ同じでした。

***

改めて思うのは、こっちの人たちって、そんなに他人に干渉しないというか、他人を眼中にしないというか、そういう文化がある、ということです。だから、分かりやすい場所に設置しても、あまり問題にならない、というか、たいして気にしてない部分があるんですよね。

日本人的な感覚だと、「こんな人の目に触れる場所に作ったら、誰も預けに来なくなるのでは?」、となってしまいます。が、その部分は、きっと「文化差」なのかな、とも思います。

人の目を気にするのが日本人でもありますからね。

(僕は、人の目を気にしないで生きているので、だから、日本では変わり者になってしまいます。が、こっちに来ると、それが当たり前なので、それで嫌な思いはしません。KYという言葉もありますが、もう少し、日本人も他人を意識しないで生活できるようになればいいなぁ、と思うのです。他人がどうあろうとどうでもいいじゃないですか。けど、それを許さないのが、日本という社会なのかな、とも。他人が気になって仕方ないんでしょうね。でも、どうしてなんだろうな。。。「他人は他人、自分は自分ってならないのかな?!)

***

おまけ。

ここは、旧東ドイツ。

至るところに、東ドイツ時代を思い出させるような建物がいっぱい残っています。

もう25年くらい前の話なんですけどね。

でも、まだまだ東ドイツ時代の建物(廃墟)がいっぱいあるんです。

ドイツだと、25年前の建物なんて、ざらにありますからね。

だからなのか、マグデブルク周辺の建物って、みんな集合住宅なんですよね。

一軒家が全然ないんです。それもまた、共産主義の国のかたちなんでしょうね。

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