アフガニスタンが今、大きな変化の時期を迎えています。
アフガニスタンと言えば、日本人にとっては「中村哲さん」でありましょう。
中村さんの話を聴けば聴くほど、2001年以降のアメリカ支配が無意味なものだったと思わされます。
是非、この上の動画をじっくり見て頂きたいな、と思います。
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それから、是非、こちらの記事も読んでもらいたいです。
アフガニスタンについて考える上で、この中村先生の話は是非とも読んでおいてもらいたいな、と。
欧米の正義がすべての正義ではない、ということが分かるかと思います。
僕らはアフガニスタン人の普通の暮らしを想像できていないんですね。
8割~9割の人たちが、普通の「百姓」「農民」なんだ、ということ、
それから、この記事にはありませんが、タリバンというのは「学生たち」という意味だとということ。
メディア等では、(アメリカの報道を鵜呑みにしてか)「タリバン=ならず者・テロリスト集団」というイメージが強く打ち出されていますが、タリバンは、それ以前の荒廃したアフガニスタンに希望をもたらす組織でもあったんです。中村さんは、それを日本で伝えようとすると、強く非難されたと何度も言っています。
また、このSIGHTのインタビューの中で、中村さんは、
「みんなが噂しているのは米軍が出ていけば今の政権は1日とはもたないんじゃないか、と。まあ1日は言い過ぎでしょうが、長くはもたないということです」
と、2002年の時点で語っていたんです。2021年の今、まさにその通りになった…、と言えませんでしょうか?!
2002年の頃から、アフガニスタンの一般の人々の間では、今アフガニスタンで起こっていることがそのまま予見されていたんですね。つまり、この20年、アメリカがどれだけの爆弾を外から落とそうとも、日本を含む先進国が「お金」をアフガニスタンにばらまこうとも、変わらなかった…、と。
また、中村さんはこの時点で、こうも述べていました。
「われわれは仕事柄、いわゆる一般の人々と、その辺のおじいちゃん、おじさんと話すことが多いですね。一般庶民の全部とは言わなくても、99%は反米的です。その傾向は強くなっていく。それに対する一握りの親米政権。こういう構図がだいたい定着している」
この中村さんの話からも、2021年の今、米軍が撤退するとなってわずか数日でガニ政権が崩壊したことの理由も分かるかと思います。この20年で、アメリカはアフガニスタン人の心を変えることはできなかったんです。ただ、空から爆弾を落としてきただけ。つまりは、99%の人たちのアメリカへの憎悪をますます募らせてきただけだった、と。
2002年当時のアメリカの「やっている行為」について、中村さんは次のように語ります。
「まあ一言で言えば出来の悪い西部劇なんですね。白人の間では恋あり涙ありで、いろいろなことが語られますけれども、インディアンというのはヒーローから撃ち殺される対象でしかなかったですね」
と。
その出来の悪い西部劇に振り回されてきた日本国と日本人たち。「タリバン=悪」とラベリングすることもまた、この出来の悪い西部劇の影響によるものかと思います。
宮台真司先生のいうところの「対米ケツ舐め」を続けてきた自民党がずっと、アメリカに忖度して、アメリカに同調して、アフガニスタンの攻撃の「後方支援」をしてきた一方で、多くの人から「悪夢」と揶揄される民主党政権時代には、鳩山さんやその周囲の人たちは、「武器」ではなく、「生活再建」のための支援をしようとしていた、という動画もありました。
この動画の2分35秒~あたりでは、日本と韓国が協力して、(アメリカの軍事行動とは全く別に)アフガニスタン人の職業訓練を行おうとしていたことも指摘されています。
とんでもなく敵の多い(?)「超嫌われ者」の鳩山さんですが、彼は、(まだまだユートピア的な夢想のままですが)アジアの(欧米支配からの)自立・独立・自律ということを考えていたと思います。この頃の日本は、欧米の考えとは違う考えで、アフガニスタンの人々を支援しようとしていたんですね。(アメリカに追従して、いたずらに「反韓」を打ち出す自民党政権とは本当に本当に真逆だったんだな…、とも)。
…
また、中村さんは、「武器」ではなく「水」を「食料」を!、と訴え続けていました。
この動画を見ていたら、ふと、DaiGo氏の発言を思い出しました。
DaiGo氏は、YouTubeの自身のチャンネルで、次のような発言をしました。
「僕は生活保護の人たちにね、あの、なんだろう、お金を払うために税金を納めてるんじゃないからね。生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら、あの、猫を救ってほしいと僕は思うんで。生活保護の人生きてても僕べつに得しないけどさ、あの、猫はさ、生きてれば僕得なんで」
「猫が道端で伸びてたらかわいいもんだけど、ホームレスのおっさんがさ、伸びてるとさ、なんでこいつ我が物顔で段ボール引いて寝てんだろうなって思うもんね。うん。僕はあのー、今日辛口だと思いますけど、ダークなんで、うん。人間の命と猫の命は人間の命の方が重いなんて僕全く思ってないからね。自分にとって必要もない命は僕軽いんで。僕にとって軽いんで。そうそうそう、だからべつにホームレスの命はどうでもいい」
「どちらかっていうと、みんな思わない? どちらかっていうといない方がよくない? ホームレスって。言っちゃ悪いけど。本当に言っちゃ悪いこと言いますけど、いない方が良くない? いない方がだってさ、みんな確かに命は大事って思ってるよ。人権もあるから。いちおう形上大事にするよ。でもいない方がよくない? うん。正直。邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ。ねえ。治安悪くなるしさ、いない方がいいじゃん。猫はでもかわいいじゃん? うん。って思うけどね、僕はね」
DaiGo氏の「自分にとって必要のない命は、僕にとって軽いんで。だからホームレスの命はどうでもいい」という発言を、中村医師が聴いたら、どう思うだろうか。ホームレスの部分を「アフガニスタンの人たち」に置きかえたら、みなさんはどう思うでしょうか?!
僕は、DaiGo氏には興味も関心もないので、彼についてはどうも思いません。が、彼が社会的にとてつもなく大きな影響力を持っていることは分かります。怖いのは、こういう彼の考え方が、世の中で広まることです。こういう考えを持つ人が増えることです。
彼が発言しなくても、同じように考える人はこの国にも多いと思います。ホームレスのひとたちや生活保護を受けなければ生活できない人たちのことを、「自分にとって必要のない命」と切り捨てる、その考え方こそが、一番非難されるべきことだと思います。
中村さんがこの発言を聴いた時、DaiGo氏に何を語るのか、想像したいところです。
同時に、DaiGoさんには、是非ともこの上の動画を見て、色々考えていただきたいところです。
…
最後に。。。
古館さん時代の報道ステーションの動画もよろしければ是非。
コロナ禍で、外に出るのを自粛して、「アフガニスタンのこと」、「アメリカのこと」、それだけじゃなくて、「生きること」、「食べること」、「環境のこと」を考える、というのも大事ではないでしょうか。