20日からスタートした「船橋ソースラーメンプロジェクト」。
http://ja-jp.facebook.com/FunabashiSauceRaumen
悪麺友らんちばさんが船橋の地ラーメンである「ソースラーメン」を再発見・再評価して以来、この船橋ソースラーメンが静かにじわりじわりと盛り上がりを見せつつあります。竹岡、勝浦に続く第三の千葉の人気「地ラーメン」になるかどうかが注目すべきポイントです(かね?!)
船橋ソースラーメンの背景については、らんちばさんの以下の記事をお読みくださいませ。
http://blog.livedoor.jp/lanciba/archives/51853451.html
船橋に独自のラーメン文化あり!ですね。
で、現在、このプロジェクトに参加しているのが、船橋の「阿修羅」「まるは極」「竈の番人」「963」「戯拉戯拉」、そして小室の「ra2」の6店舗です。どこも若手の人気ラーメン店ばかりです。これまでしっかりと「ソースラーメン」を守り、作り続けてきた「ソースラーメン」の味を、彼らがどこまで可能性を示せるか。そこに、この地ラーメンプロジェクトの真意が隠されているように思います。
というわけで、昨日の「極」(売り切れで食べれず)に続いて、らんちばさんにひっついて、ra2に向かいました。(いつもありがとうございます。自力では行けない場所なので・・・涙)
さて、ra2のソースラーメン、「船橋式」という名前で提供されていました。
いいですねー。「船橋式」。「竹岡式」「勝浦式」に続いて、船橋式です。
ソースラーメンというと、びっくりする人もいるかもしれませんが、ソースが嫌いな人はあんまりいないですよね。とんかつ屋さんに行けば、ソースを使うだろうし、コロッケにもソースは必須。お好み焼きにもソースは必要だし、串揚げにもソースは使われています。
ラーメン的にいえば、醤油だって、味噌だって、ソースといえばソース。これまでは、ソースがラーメンに(うまく)使われてこなかっただけで、うまく使うことができれば、ソース味のラーメンは、新たなラーメンの味として、定着する可能性はあるわけです。ただ、それがとにかく難しい。
で、ra2のうまかつさんがこだわったのが、まずはこのソース。
この三つのソースを駆使して、作るんだそうです。ソースについては、また以下で触れたいと思いますが、これだけのソースを使用しているわけです。いったいどんな味なのでしょう。
作り方も独特です。通常は、タレにスープを入れて、香油等を加えてラーメンを作るわけですが、このラーメンはちょっと違います。
わかりますかね。この小鍋の中に、ソースと清湯スープと野菜と麺が入っているのです。つまり、これがこのままラーメンになっているんです。提供前直前に合わせるのではなく、小鍋の中で一気に温めるわけです。
この手法は、船橋ソースラーメンの伝統を守り続けてきた「浜町一番」の手法とほぼ同じです。ra2のうまかつさんも、このラーメンを「浜町一番インスパイア系」とおっしゃっていました。
で、完成したのが、こんなラーメンでした!
このラーメンの詳しいコメントについては、是非らんちばさんの記事を読んでください。ソースラーメンを愛するらんちばさんゆえの深い分析が施されています。これ以上にいうことはないので。
http://blog.livedoor.jp/lanciba/archives/51897005.html
もう、これ以上に言うことは本当にないのですが、、、 それじゃ、あれなので。。。
このラーメンを食べた時に、僕はソースラーメンを食べている気分になりませんでした。ただただ「美味しいラーメン」を食べている感じです。何の味かとかが全然気になりませんでした。
ソースラーメンの弱点である強い酸味が消されているので、実に食べやすい。食べやすいというか、ソースとラーメンの見事なアウフヘーベン(止揚)が起こっていて、見事なラーメンになっていました。このアウフヘーベンに、僕は強く感激しました。
醤油、味噌、塩、豚骨、魚介、魚豚、鶏白湯、海老等の味に続く新しい味として「ソース」が揚がるのではないか、そんなことを思いましたね。
ra2のこの船橋式は、ソースを使ったラーメンとしては、実に斬新です。他の店舗のラーメンを食べていないのであれですけど、ソース特有の強い酸味+刺激がなくて、ソースのうまみだけがスープに反映できるなら、これは期待大です。ソース会社の人も、是非ラーメンに合うソース開発に乗り出してほしいですね(苦笑)。
あと、この船橋式、さらにこんな味変トッピング(途中でラーメンの味を変えるトッピング)が!!
わかりますね。バターです。
僕はここ数年、バターという調味料をラーメンの可能性(再評価)としてひそかに探っています。それは、「洋風ラーメン」を考える上でも重要かな、と思うからです。バターというと、塩ラーメンや味噌ラーメンの定番トッピングになっていますが、バターを基調としたラーメンが出ないかな、と思っているわけです。また、定番の外側に、バタートッピングの可能性は探れないのか、と。
ソースラーメンって、そもそも洋風ラーメンに向かうわけです。洋食の基本的な調味料がバターです。そういう意味で、バターはそもそもソースラーメンと相性がいいはず。
うまかつさんから見せていただいたソースの裏側をみると、徳島県のソースを使用しているんですね。このソースがよいみたいです。
原材料は、野菜と果実、醸造酢、砂糖、食塩、香辛料とあります。基本的には、これが味の基になっているんですね。ウスターソースの味の決め手はなんといっても、野菜と果実です。それに、ra2自慢の清湯スープが加わります。
で、こちらが、イギリスから輸入しているウスターソース。リー&ペインソースというそうです。輸入しているのは、輸入雑貨で有名な明治屋。明治屋は本当にいいものを輸入していますよ。
なお、ウスターソースの「ウスター」とは、イギリスの市名なんですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
Worceterと表記し、ウースターとも発音できますね。ウスター大聖堂って、なんか見てみたいです。(なお、アメリカにも、Woosterという町があるそうです)
が、イギリス=ウスターソースかぁ、と思うと、ちょっと考えてしまいます。なんといっても、イギリスは、財力や権力とは違って、料理超不毛地帯ですからね。…ま、それはいいか。蛇足です。ただ、ウスターソース自体がそもそも美味しい調味料なのかどうか。それも考えなければならない問題かもしれません。
で、ウスターソース。
http://www.kagome.co.jp/sauce/special/products/jyoujyuku_usuta.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9
日本のウスターソースとイギリスのウスターソースは別物なんですね。たしかに、上の徳島のウスターソースには、イギリスのウスターソースに使用されるアンチョビーは入っていません。味に若干の違いがありそうです。それから、ウスターソースは日本の醤油と親和性があるみたいで、、、
ソースラーメンを語るためにも、まずはソース自体について語れなければ!と思う、僕でした。オイスターソースとウスターソースの違いすら、分からない人も多いですからね。しかも、そもそもソースって何だ?!と問われて、応えられる人がどれだけいるというのか、、、
Sauceは、そもそもラテン語Sallereという言葉から来ていて、「塩味を加える」という意味の動詞だったみたいですね。つまり、塩味にするものがソースの語源的な意味。とすると、醤油もソースだってことになるのかな。英語のsauceを動詞にすると、「味付けをする」という意味になりますね。なので、ソースという言葉自体が、調味料や香味油を意味できるんです。
なので、注意しなければならないのは、ソース=ウスターソースと狭く考えることです。もちろん、日本では、ウスターソースやブルドックソースなんかを、ソースと呼ぶことに慣れています。が、ソースはそれだけじゃない。デミグラスソースだって、ソースだし、ソース自体、色々な味わいがあるんです。それはしっかりと理解しておきたいです。
でも、その上でいえるのは、この船橋ソースラーメンは、まさにそのウスターソースにこだわった新しい地ラーメンだ、ということです。なので、ある意味で、インターナショナルなラーメンですよね。
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あと、ra2にはなかなか来られないので、チャーシュー丼も食べました。
チャーシュー丼はちょっと味的に弱いかなぁ。。。
もう少しがっつりとしているほうが僕は好きですね。玉ねぎが入っているのはうれしいですが、「丼」として考えると、ちょっと味気ないと思いました。
実は、チャーシュー丼ほど各店舗の「差」が見られるサイドメニューってないかもしれませんね。