🌸祝15周年🌸第四土曜日の会スルメイカ🌸実践ヲ哲学スル？

2007年4月に産声を上げた「第三日曜日の会スルメイカ」。

その後、第三日曜日から第四土曜日に日にちを変えたので、

第四土曜日の会スルメイカ

になりました。

この第四土曜日の会もこの4月で「15周年」を迎えることができました。

15年、一度も参加者がゼロにならなかった保育実践研究会。

参加してくれているみんなの力でここまで続けることができました。

…

15周年ということで、普段、僕は発表しないのですが、今回は発表させてもらいました。

そのタイトルは【「第四土曜日の会スルメイカ」は如何に？】です！

この15年を振り返りつつ、この会はいったいどんな会なのか。なんのためにやっているのか、なにを目指して15年やってきたのかについてまとめました。

なかなか来られない人もいるし、来たくても来られない人もいるので、ここでその原稿をupします！

よかったら、読んでみてください！！

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「第四土曜日の会スルメイカ」は如何に？！

　第四土曜日の会の前身、第三日曜日の会の誕生
　今からちょうど15年前の2007年4月に当時の卒業生たちと始めたのが、第四土曜日の会の前身の「第三日曜日の会」である。初回は、16名の卒業生と僕の計17名だった。
　当時の僕は、まだ31歳。夢と希望に燃える若い先生だった。当時は僕もまだ「お兄さん的存在」（？）で、学生たちとの距離もすごく近かった。その距離が近い分、色々とぶつかったりもしたようにも思うが、学生たちと一緒に成長することができた。
　その当時の僕は、学生時代に出会った「斎藤喜博（教育者兼歌人、1911-1981）」の影響が強く、また、その喜博に影響を受けた教師の研究会（教授学研究の会）にも属していて、自分も喜博と同じような創造的な実践研究会がしたいと思っていた。なので、彼がかつて教師仲間と行っていた「第３日曜の会」を真似して、毎月第三日曜日に研究会を行うことにした。
　この「第3日曜の会」については、実はWikipediaで紹介されている。

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第3日曜の会

　…上記のような、集団を対象とした教育活動と併行して、斎藤は「第３日曜の会」という個人的な研究会を境小学校長時代から毎月第３日曜日に群馬県玉村町の自宅で開いていた。これは、全国各地から教師が合唱の録音テープ、クラス全員の子どもの絵、各教科の実践記録などを持参して来て斎藤の指導を受ける会で、合唱でのピアノ伴奏の仕方や国語教材の朗読の仕方などは実演を交えて指導が行われた。研究者も参加していて、ある研究者は、この会を「斎藤ゼミ」と呼んだという。会は初めは参加自由だったが、12畳の部屋に70人近くにもなったので、後に40名ぐらいに制限された。

　この会は斎藤が亡くなるまで12年間続いたが、この間、遠く岩手や大阪、富山などからほとんど休まずに参加した教師が何人もいた。この第３日曜の会の情景は、1978年３月放映のNHKテレビ「教える－斎藤喜博の教育行脚」に映っている。
（引用元はこちら）

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　喜博の第3日曜の会は12年続いたとある。なので、この「（第三日曜日の会改め）第四土曜日の会スルメイカ」は、喜博の第3日曜の会よりも長い会になっている（ただし、喜博の研究会には30人～70人の参加者がいたというから、それには敵わない…が、グループLINEには現在80名以上のメンバーがいる）。

　第三日曜日の会スルメイカ
　第三日曜日の会スルメイカの「スルメイカ」は、当時の学生のKさんが名付けたものだった。「みんなの書いた事例を読んで、議論して、吟味すればするほど、その事例は味わい深いものになる。スルメイカのようなものだ」と言ったことで、この会の名前が決まった－普段は略して「第四土曜日の会」と言っているが、正式名称（？）は「第四土曜日の会スルメイカ」である（笑）。

　原則、うちの卒業生＆在校生のみ
　この会は、基本的には門戸を開いていない。誰でも自由に参加できる会にはしていない。それには理由があった。
　かつて、僕は学校外部の仲間たちと、自由なボランティア団体を結成していた。このクラブは、あらゆる障害や立場の違いを超えて、「みんなで色んなことにチャレンジしようぜ！」という野心の下、さまざまな障害をもつ人（子ども）たちとイベントを企画したり、秘湯温泉に行ったり、「学会」を行ったり、水陸両用車椅子で海に入ったり、スポーツ大会を実施したり、ライブイベントを行ったりと、はちゃめちゃだった。
　その当時は、ものすごく勢いがあり、瞬く間に80人くらいの仲間が関わってくれるようになっていった。「地域新聞」にもその取り組みが紹介されたりもした。
　開かれたコミュニティーづくりという理念もあったので、「誰でもwelcome」にしていた。
　そこに、ある一人の参加者がボランティアとして入ってきた。その人は、一見「良心的な人」だったが、実は深い深い闇を抱えた人だった。その人は、人と人の関係を引き裂くことに長けていた。結果、80人ほどいたクラブの仲間たちの関係が次々に引き裂かれていった。あっという間にクラブ内の人間関係が壊れていった（そして解散）。
　そんな苦い経験もあり、第三日曜日の会は「部外者は原則禁止」にした。それは今も変わっておらず、「原則、うちの卒業生＆在校生のみ」で行っている。もちろん、同業者であれば、他校出身の人でも参加可能だが、誰でも自由に出入りできる会には今後もしようとは思っていない。

　事例研究のすすめかた
　事例（Case）を書いて、みんなであれこれとあてどなく議論をする。それが、15年前から今に至るまで変わらないこの会のスタイルだ。
　学者や研究者を育てる会ではないので、あまり小難しい話にはしない。それよりも、「私の現場で何が起こったのか」「私は現場で何をしたのか」「子どもたちは現場で何をしていたのか」等をていねいに記述できればよい。それを基に、「保育ってなんだろう」「教育って何だろう」「人間って何だろう」「育てるって何だろう」ということが考えられれば、万事ＯＫ。
小手先の方法論や対応策を考えることもあるが、それだけにとどまる会ではない。教育も保育も福祉も、そんな単純な方法や技法や対応策で解決できるような事案は、まずないと考えたほうがよい。
　あるＡ君に通用した対応が、別のＢちゃんにも通用する、という保障はない。相手（子ども）が心や意志や信念や価値をもった一人の生身の人間である以上、こちら側の行為や語りに対する反応や捉え方もバラバラである。Ａ君に「それをするのはやめて」と言って、Ａ君がそれを素直に受け入れたからといって、その同じ言葉をＢちゃんに言っても、同じように素直にそれを受け入れてくれるとは限らない。その時の状況、その時の気分、その時の双方の関係性などが、その結果に強い影響を与えるのだ。
　なので、保育や教育の実践者は常に自らの実践を振り返り続けなければいけない。そうでなければ、これまでの経験をもとに、同じことを繰り返すだけの実践になってしまう。「こういう時はこうすればよい」という法則に従ってしまう。しかし、実践の世界には、そんな単純な法則性はない。とすれば、常に「この時、どうだったか」ということを検証しつつ、「これからどうするか」を常に問い続けなければならない－それは、時代や状況に応じて「味」を常に変えていく優れたラーメン店主の姿勢に通じるものがある（「味を変えない」というのは、一見、ガンコそうに見えるが、実は怠慢（ルーティーン）でしかない）－。
　事例研究は、そうした怠慢やルーティーンを打破するために行うものである。「常に、別の仕方（オルタナティブ）がある」ということに自ら気づくための手段である。

　専門家集団として連帯を！－“Für ein offenes Land mit freien Menschen!”
　僕の根底にあるのが、「自由freedom」「民主主義democracy」「連帯solidarity」「自律性autonomy」「反権威主義anti-authority」といった西欧で生まれたキーワードだ。
　これらはどれも、欧米の教育や保育の「ベース」になっているもので、これらの考えに基づいて、あらゆる実践が作られている。そのねらいは、簡単に言えば、欧米的な理念を踏襲し、日本をロシアや中国や北朝鮮やミャンマーのような（自由を認めない非民主主義的な）国にしない、ということだ。そのために、自由な学校があり、自由な教育や保育がある。
　さまざまなキーワードを並べたが、その中でも「連帯」はとても大切である。国家や権力者（文科省や厚労省や地方自治体の首etc.）の言いなりにならないためには、僕ら（保育者や教育者）が常に連帯しておく必要がある。なので、僕がどうこうという話ではなく、実践者のヨコのつながりを作ることが問題となる。志のある保育者が同じ志のある保育者とつながり、連帯していくことで、志のある保育者の孤独を防ぐことができる－どの分野においても、志のある実践者はそれほど多くない－。

　第四土曜日の会の未来？
　この会は、参加者がゼロになった時に、終わりを迎えるルールになっている。その日は、来月かもしれないし、来年かもしれないし、2年後かもしれない。
　でも、なくなったらなくなったでよい。なくても困らないが、あったらより良いと思える場こそが、自由な遊び場だ。第四土曜日の会は、保育者や教育者の遊ぶ場であり、真剣な余暇活動（本来の「レジャー」）のお時間だ。余暇を真剣に生きる人間こそが、真の人間である。

「今日よりは明日、明日よりは明後日と、次々と教師自身が新しくなっていかない限り、子どもたちは学ぶことへの憧れをもたないし、新しい世界に入っていく喜びをもたない」（斎藤喜博）

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こんな感じの話をしました。

こんなマニアックな？保育事例研究会が15年も続くなんて、ホント思ってもみませんでした。

今月は、なぜか若い卒業生＆在校生は来てくれず…😢、少し寂しかったですが、でも、19年前に入学してきた教え子から、数年前に卒業したばかりの教え子まで、世代を超えて、（数的には多くはありませんが）志のある保育実践者たちが集まってくれて、話も盛り上がりました。

子どもたちもいっぱい来てくれて、なかなかカオスなメンバーでもありました。

是非是非、卒業生のみなさんには来てもらいたいですね。もちろん在校生も大歓迎です。

次回もまた「第四土曜日（5月28日）」です✨

実践を哲学しましょう！！＼(^o^)／