Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

LuLu 【第零集中治療室】 医療系V系![全曲紹介追加]


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僕個人的に注目しているV系ニューカマーのLuLu。このバンドは、【医療】をコンセプトにおいたニュータイプのV系バンド。もともと精神病や心療内科的なものを歌詞のテーマにしたバンドは結構多かった(ルナシーや黒夢やデザビエなど)。LuLuはまさに【病】を主題としたコンセプトバンドと言っていいだろう。

このバンドのこだわりはメンバー名にも繁栄されている。院長 たぁ(Vo) 、小児科 Yu-ki(Ba)、 精神科 達郎(Gt)、内科 戒斗 (Gt)、口腔外科 抄成(Dr)・・・すごいでしょ?!さらにファンのことを【外来患者】と呼んでいるところもすごいし、レコーディングは【手術】だし・・・ ライブは、【診察会】だし・・・ ブログは【カルテ】だし・・・

ある意味、マリスミゼルよりも独自の世界観を作っているかもしれない。そう、まさに聖飢魔Ⅱレベルのこだわりのバンドなのだ(あるいはカブキロックス?)

今回リリースされたアルバム【第零集中治療室】は、彼ら自身初のアルバム(ミニじゃないよな・・)だ。

1 おもひで総回診
ちょっとたるくて淡々としていてどこか妖しいイントロで始まる。ちょっとメリーみたい? この曲すごく面白い。「大人達の言葉はもう信用できない 私おかしくないのよ」ってところで、たるくて遅いビートが徐々にアップテンポしていくのだ。こういう曲ってあんまり聴いたことがない。。。アップテンポになると、V系王道のシャウトロックへと変化していく。「たるさ」と「狂気」が一体となった挑発的な曲だ!いきなりびっくり。

2 現実不感症(Stage4)
またまた「妖しい」ギターのイントロで始まる。この曲、初期マリスっぽくもないな。歌詞の内容は全然違うけど、、、サビ以前は非常に妖しいんだけど、サビにきて突き抜けていく。「君の知らない世界を見せてあげたい 閉ざされたその心」、ここのメロディーはキャッチーでメロディアスでかっこいい。詩はその名の通り、感じる心を失った「君」に対して歌う曲であり、ある意味、治療的な歌と言えるのかもしれない(笑)

3 苦し紛れ
裏打ちビートで、やっぱ妖しい(=暗い)イントロ。だが、Aメロが始まると、久々の8ビートカッティングだ。こういう8ビートカッティングって最近のV系、あんまりしなくなったのでちょっぴり新鮮であった♪ 歌詞は四行のみ。曲的にはそれほど変わったことはしていないんだけど、Voの声、歌い方が結構変わっているので、新鮮に感じる。サウンド全体としては、メリーっぽい・・かな。「端末が~♪」ってところとか。

4 VIVIAN/ROULETTE
印象的なクリーントーンのギターアルペジオで始まる。美しくて、切なくて、かっこいいロックだ。どことなく流れていくようなメロディーで、聴いていて心地よい。また、情景が浮かぶような曲で、イメージしやすい感じがする。「カナリア解き放たれたガラスの向こう側」っていう言葉が何度もリフレインする。ギターソロも、それほど難しいことはしてないが、キレイで気持ちよい。やっぱ、90年初頭のV系の雰囲気があるなあ。

5 9×13
これまたクリーントーンギター+シンセサイザーを駆使したゴージャス/メロウな一曲。伸びのあるギタートーンは、どこか懐かしい。LuLuって、かなりメロディーがキレイなんだよなあ。。。ギターも歌も。ヘビー/ラウドな要素よりも、ダークさ、妖しさ、切なさの要素の方が強いんだな。この曲は特に切なさが強い一曲かな。「シルバーのリングだけがあの夜を映しだした」というサビ、結構ロマンティックなんだよな。

6 MAD CAPSULE
これまでと一転して、かなりラウドでハードで妖しいSE的一曲。SEというか、ライブで叫ぶ曲って感じかな。歌詞はない。が、よく聞き取れない声でなにやら呟いているのは聞こえる。妖しいぞ。。。でも、この曲はライブ用ってことで。ライブハウスで頭を振り乱すファンの姿が思い浮かんできます♪

7 精神鎮痛剤(O.D)
この曲を聴いて、LuLuのCD買おうって決めた。カッコイイ!それに尽きる一曲。すでにシングルとしてリリースされている曲。「痛い・・・・」と連呼しているので、本当に痛いときに聞くといいかも。代弁機能付きってことで。(ただ本当に辛い時って、ロック聴けなくなるんだけど・・・ね・・)

8 症例:官能アレルギー
サイレンの音みたいな効果音で始まる曲。これまた妖しいイントロだ。初期メリーのような雰囲気があるかな。歌詞カードでは、この曲だけ、文字の表裏がひっくり返っているので、読みづらい・・・ 歌的には、これもシングルカットできそうなほどにメロディアス。サビなんかは突き抜けてるし。勢いもあるし。で、サビ後には、ライブで盛り上がりそうなシャウトがたっぷり入っている(が、何を意味しているのかは不明)。

9 溺愛クランケ
これまたメリーっぽいタイトルを・・・ しかもKrankeって、ドイツ語じゃないの(汗)。そうよ。医療系V系を目指すなら、ドイツ語を勉強してほしいなあ~~(無料でお教えしますよ・・って(汗))。イントロ・出だしから飛ばす、飛ばす。。。このバンド、シャウトが結構多いなあ。。裏でキーボードが入っているんだけど、もう少し音量大きめにしてもいいんじゃないかな~と思ったり。あと、この曲の構成はかなり独特。ここでこう来るか?!っていうひねりがあるのだ。曲自体は結構単調だけど、構成でかなり工夫しているように思われる。

10 terminal care
おいおい。「ターミナルケア」って・・・ タイトルにしていいのか??と突っ込みをいれておこう・・・ ピッ、ピッ、ピッっていう音で始まる。なんか重たいな。。歌詞も、実はかなり深い感じがする。「ターミナルケア」の意味から外れていないんだな、これが。「騙しつづけて せめて 終末を迎えるまで まだ ここにいていいよ」、とか。曲的には、メロディーがはっきりとしたスロウテンポのミディアムロック。壮大な感じもする。そして、どこか心にぐっとくる何かがこの曲にはあるのだ。

【総評】
正直なところ、演奏的にはまだまだって感じだけど、センスやコンセプトはかなりハイレベルだと思った。楽曲もかなり良質だし。ボーカルの声質も決して悪くない。初期の作品としてはなかなかのクオリティーを誇っていると思う。厳しく見れば、まだやっぱり曲が単調だ。ボーカルの歌唱力もまだまだこれから!って感じもする。だが、逆に、また勢いやパワーみたいなものはヒシヒシと伝わってくる。「医療系V系」、今後がとても楽しみなバンドだ。

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