「浪人生」。
現在、この浪人生という言葉を目にすることはほとんどなくなってきた。
僕ら団塊ジュニア世代にとっては、当たり前だった「浪人生」という言葉。今となっては、ほとんど話題にのぼることはない。
とはいえ、浪人生は今も存在している。
その数は、およそ11万人ほどと言われている(こちらを参照)。
全体的には、浪人生の数はどんどん減ってきているそう。
ただでも少なかった二浪になると、もう本当に少数派=マイノリティーになっている。
それでも、同じ学年の知り合いの中に、数人はいたと思う。
今は、どれほどなのだろうか。
さて。
先日、この浪人生をめぐる事件が生じた。
北九州市小倉北区の大学受験予備校「代々木ゼミナール小倉校」で男子生徒(19)が刃物で刺され重傷を負った事件で、福岡県警小倉北署は12日、殺人未遂容疑などで、同校生徒の中島政夫容疑者(30)=同市八幡西区則松=を逮捕した。「刺したのは間違いない。にらんできたので刺した」と供述しているが、殺意は否認しているという。
逮捕容疑は11日午前11時55分ごろ、同校自習室で男子生徒の胸などを包丁で刺し、殺害しようとした疑い。
引用元はこちら!
この容疑者は、30歳ということで、上のカテゴリーを用いれば、「多浪生」ということになろうか。
医学部でも希望していたのだろうか。
謎は尽きないが、こういう事件が起こった。
今となっては少数派となってしまった「浪人生」。
けれど、きっと今も浪人生の苦しみは変わっていないのだろう。受験の重圧やプレッシャーに耐えながら、まさに流れの浪人の如く、一人でもくもくと勉強しているのだろう。
見方を変えれば、今のこの時代に、「浪人」が許される環境にあるだけ恵まれている、とも言えなくもない。けれど、誰も共感してたり、同情してくれない中で、しかも、全く世の中的に話題にされない中で、孤軍奮闘することはとても大変なことだろうと推測する。
僕らの頃は、まわりの至る所に浪人生が溢れていて、全然寂しくなかった。予備校全盛期でもあった。カリスマ予備校講師が世間で注目される時代だった。暴走族から大学進学し、絶大な人気を誇った講師もいた。ヤンキーに憧れていた僕ら世代にとっては、彼は「ジャパニーズドリーム」を手にした憧れの存在だった。また、ロックな講師で、受験前にマイクをもって歌いだす講師もいた。
浪人生にとって、華やかな時代だった。
しかし、今は全く状況が違う。
正直、今の僕には、今の浪人生の辛さは分からない。どれほど過酷なのか、あるいはどれほどゆるいのかも分からない。メディアでも、騒がれることはほとんどないし、テレビで浪人生が特集されることもほとんどない。
つまり、完全に、日陰の存在になっているのが、今の浪人生なのだろう。
今回の事件について、あれこれ言うことはしない。色々、あったのかもしれないし、突発的な犯罪だったのかもしれない。
ただ、僕の中でも忘れかけた「浪人生」という言葉が、なんか、気になったというか、ひっかかったっていうか。。。
今の浪人生って、どんな気持ちなんだろう?!って。
きっと、今よりもずっと厳しい状況にあると思った。そう、想像した。あくまでも想像だけど。。。
19歳の男の子が無事に助かりますように。そして、30歳の彼もまた、人生をやり直せますように。
…で、思い出したのはこの曲。
懐かしいなぁー。
予備校に通っている時によく聴いていた曲。
僕も、19の時、予備校で、ちょっとだけ恋っぽいことがあったなぁって。もちろん実らなかったけれど(苦笑)
でも、いいところまでいったんだ(苦笑)
あの娘は今、なにやってるのかなぁー。
浪人生が輝いていたのは、きっとあの頃だけなんだろうなぁ。。。
っていっても、あの当時も、入りたい大学に入れなくて、自ら死を選ぶ若者もいたりした。
みんなが、望む学校に入学できたらいいのにね。
したい勉強がみんなできたらいいのにね。
大学名なんて、実際どうでもいいのにね。
どこで勉強をしたかじゃなくて、何をどう勉強したかなのにね。
なんのための単位だったり、試験だったりするんだろうね。
みんなが、全部の受験生が、予備校生が、行きたい大学で勉強できたらいいのにね。
でも、僕らの時代もそうだったけど、悲しいことに、大学に勉強しにいきたい人って本当に少ないんだ。
勉強、…っていうか、学問したい人が優先されるシステムって作れないのかねー。
なかなか作れないんだろうね。
難しいなぁ。。。